2018 Fiscal Year Research-status Report
TFGの発現調節異常が肥満・代謝障害形成に及ぼす役割
Project/Area Number |
17K16150
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本屋 武 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 助教 (50760013)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 肥満 / 脂質代謝 / 細胞内小胞輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は脂肪細胞におけるTFGの役割を明らかにするため、タモキシフェン誘導性成熟脂肪細胞特異的TFG KOマウス (AiTFG KO) の解析を中心に行った。 これまでにob/obマウスや高脂肪食負荷マウスといった肥満モデルマウスの白色脂肪組織ではTFGの発現量が著増することを見出している。そこでTFGが肥満に伴う脂肪組織の増大に重要な役割を果たしているのではないかと考え、AiTFG KOに高脂肪食を6週間負荷し、体重・脂肪組織重量の変化や異所性脂肪蓄積である脂肪肝形成への影響を検討した。その結果、AiTFG KOは高脂肪食負荷に伴うadipose expansionが障害され、脂肪肝が増悪することが明らかとなった。その一因として、AiTFG KOの脂肪組織では脂肪細胞分化・機能に重要な転写因子であるPPARγの発現量が減少していることが明らかとなった。現在、その分子機序について検討を行っているところである。 また、その機序や全身の代謝における意義・影響については未だ解析中であるが、AiTFG KOでは脂肪組織におけるミトコンドリア量・機能も低下しており、特に皮下脂肪におけるBeige化が障害されている。 これまでの結果から、TFGは脂肪細胞が増大し余剰エネルギーを脂肪組織に蓄積するのに重要であり、AiTFG KOではadipose expansionの障害・異所性脂肪蓄積によるインスリン抵抗性が主な原因となり、耐糖能障害を来すと考えている。 また筋肉特異的TFG KOマウスについても既に作製が完了し、運動能(筋力・持久力)、代謝の両面から現在解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脂肪細胞におけるTFGの役割について、AiTFG KOの表現型解析により概ね明らかとなってきており、2019年度中の論文投稿に向け精力的に解析を続けているところである。 筋肉におけるTFGの役割についても、興味深いデータが出てきており、今後並行して解析を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
TFGの脂肪細胞における機能については、2019年度中の論文投稿(できれば掲載)を目指す。 筋肉におけるTFGの役割について、高脂肪食負荷時の代謝への影響や、加齢・糖尿病に伴う筋萎縮などに着目し、他臓器におけるTFGの機能解析で得られた知見も踏まえ、解析を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
現在脂肪細胞におけるTFGの機能につき、論文投稿に向け精力的に実験を進めているが、当初の想定以上に成果が得られつつあることもあり、研究期間の延長が必要となった。また、2018年7月の土砂災害の影響で一部実験の実施が遅れたことも研究期間内の終了が困難となった一因である。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Prolyl Isomerase Pin1 Suppresses Thermogenic Programs in Adipocytes by Promoting Degradation of Transcriptional Co-activator PRDM16.2019
Author(s)
Nakatsu Y, Matsunaga Y, Yamamotoya T, Ueda K, Inoue MK, Mizuno Y, Nakanishi M, Sano T, Yamawaki Y, Kushiyama A, Sakoda H, Fujishiro M, Ryo A, Ono H, Minamino T, Takahashi SI, Ohno H, Yoneda M, Takahashi K, Ishihara H, Katagiri H, Nishimura F, Kanematsu T, Yamada T, Asano T.
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Journal Title
Cell Rep.
Volume: 26
Pages: 3221-3230
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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