2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K16194
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
石田 隆 北里大学, 医学部, 助教 (90596470)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 造血幹細胞 / 臍帯血 / 造血幹細胞移植 / 幹細胞増幅 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では複数の臍帯血から純化された造血幹/幹前駆細胞を効率的に採取する方法の確立を目指している。さらに、ひいては、得られた細胞群を共移植することで臍帯血移植後早期の血球回復を促進することを最終的な目標としている。 この目標に向け、当該年度内に我々は、過去に報告した採取法についての至適化をさらに模索した。これまでの報告の通り、我々は実際のヒト凍結臍帯血サンプルをMiltenyi Biotec社のCliniMACS Prodigy機を用いて処理しているが、当該年度ではこの方法の各プロセスにおける細胞処理条件を検討し、細胞採取効率の改善を試みた。具体的には、DNaseへの反応時間や細胞の遠心速度、細胞の洗浄回数の条件を変えて、複数回にわたり、細胞採取実験を試行した。また、これまでの細胞採取は、CliniMACS Prodigyを用いて凍結臍帯血から有核細胞までを分離するまでの段階を報告したものであったが、今回、我々は新たに、凍結臍帯血からCD34陽性細胞までを一貫して閉鎖系にて採取する方法を試行した。本法では極めて高い純度のCD34陽性細胞を採取することができた。一方で、十分な細胞数を採取する為には、beadsの反応方法、細胞洗浄の方法といった条件検討をさらに重ねる必要があり、引き続き実験を繰り返している。 また、臍帯血移植では好中球だけでなく特に血小板回復の遅れが臨床的な問題点であるため、得られた複数臍帯血由来のCD34陽性細胞の骨髄球系並びに巨核球系コロニーの形成能に焦点を当てて、in vitroのコロニーアッセイを行い、造血活性を評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの細胞採取は、CliniMACS Prodigyを用いて凍結臍帯血から有核細胞までを分離するものであった。そこで、今回、我々は、当該年度内に、本機器により凍結臍帯血からCD34陽性細胞までを一貫して閉鎖系にて採取し、製剤化されうる細胞を採取する方法の確立を試みた。現在までに試行してきた方法では極めて高い純度のCD34陽性細胞を採取することができたが、一方で十分な細胞数を採取するにはまだ十分でなく、試行条件の至適化を現在進めている状況であることから、上記の通りに判定した。
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Strategy for Future Research Activity |
CliniMACS Prodigyを用いて、凍結臍帯血からCD34陽性細胞までを一貫して閉鎖系にて採取し、最終産物として製剤化されうる細胞を採取することを引き続き目指していく。また、臍帯血移植では好中球だけでなく特に血小板回復の遅れが臨床的な問題点であるが、今回、開発した方法で得られた複数臍帯血由来のCD34陽性細胞について、骨髄球系並びに巨核球系コロニーの形成能に焦点を当てて、造血活性を評価する予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた実験の施行時期が新年度にずれ込んだこと、一部必要物品の販売キャンペーンなどを利用したことなどから、次年度使用額が生じた。翌年度には、凍結臍帯血から一貫した閉鎖系にてCD34陽性細胞を採取する方法を確立し、得られた細胞の造血活性を評価することを目指す。
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