2017 Fiscal Year Research-status Report
フィリピン マニラにおけるレプトスピラ症の病態解明と包括的マネジメント法の確立
Project/Area Number |
17K16227
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
北庄司 絵美 長崎大学, 熱帯医学研究所, 客員研究員 (30772561)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | レプトスピラ |
Outline of Annual Research Achievements |
レプトスピラ症は、熱帯地の開発途上国で、特に貧困層に多くみられる人畜共通感染症であり、重症例の死亡率は20%以上と極めて高い。しかし、重症レプトスピラ症に対する有効な予防法および治療法はいまだ確立されていない。本研究では、フィリピン・国立感染症病院で前向きサーベイランスと入院コホート研究を行うことを目的としている。また、これにより、①レプトスピラ症の重症化要因の特定、②効果が期待される治療法の予後改善効果と費用対効果の検証を行い、これらに基づいて③低所得国の限られた医療資源のなかで実現可能な、包括的臨床マネジメント法を確立し、蔓延地域における、重症レプトスピラ症患者の予後改善に貢献することを目指している。 平成29年度は、フィリピン国立感染症病院であるサンラザロ病院にて、病院ベースのサーベイランス開始のための準備を行った。具体的には、サンラザロ病院の微生物検査室にある長崎大学熱帯医学研究所の共同研究室にて、レプトスピラ症検査の強化を行った。平成29年度は出産育児休暇を取得したため現在研究中断となっているが、今後入院コホート研究を行う予定としており、平成30年度以降に、実際のスタートに向けて機器や設備の充足や人員雇用を行う予定としている。 また、2011年から2013年にアウトブレイク時におけるレプトスピラ症疑い患者の前向きコホート研究を以前に行ったが、その時のデータを利用して、今回新たに共同研究者と共に重症化予後モデルを構築し、国際誌での論文発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成29年5月21日より産前産後休暇・育児休暇を取得したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年6月11日より研究再開予定であり、平成29年度に行う予定であった研究計画を引き続いて行う予定である。長崎大学熱帯医学研究所、サンラザロ病院の倫理委員会に研究計画書を提出し、平成31年1月から前向きサーベイランスと臨床検体採取を開始する予定である。同時に臨床検体の処理と保存を開始する。そのために、サンラザロ病院臨床検査室での必要な機材の設置やリサーチナースの確保、臨床検査技師の診断技術トレーニングを行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度に産休・育休を取得したため、当初予定していたフィリピン国立感染症病院 サンラザロ病院にてレプトスピラ症疑い患者のコホート研究を開始することができなかった。平成30年度に再開後に、コホート研究に必要な臨床検査室の機器の設置やリサーチナース等の人員雇用を行う予定としている。
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