2017 Fiscal Year Research-status Report
生殖細胞成熟過程における癌/精巣抗原の発現を指標とした新たな癌ステージングの証明
Project/Area Number |
17K16578
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
福山 隆 北里大学, 北里大学メディカルセンター, 上級研究員 (10462251)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 癌/精巣抗原 / 始原生殖細胞 / 癌 / Helicobacter pylori |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、癌/精巣抗原が発現する時期および発現機序を明らかにすることを目的としている。当該年度は癌におけるCTAsの発現時期と生殖系細胞における癌/精巣抗原Mage-A3、Mage-B4およびSsxb1の発現時期についてリアルタイムPCRにて解析し、CTAsの発現パターンの関連性を検討した。 ①始原生殖細胞(PGC)におけるCTAsが発現する時期についてについてリアルタイムPCRを用いて検討した。交尾後11.5日(11.5dpc, PGC移動期)の中腎でMage-B4が発現していた。12.5dpcでは胎仔生殖隆起(GR)にてMage-B4とMage-A3の発現が認められ13.5dpcではGRにて新たにSsxb1の発現が認められた。 ②癌細胞Meth-Aでは、Ssxb1の発現のみが認められ、発癌因子であるHelicobacter pyloriを感染させたところ、新たにMage-A3およびMage-B4の発現が認められた。C3H/10T1/2細胞では、Ssxb1のみが発現していた。C3H/10T1/2への発癌因子3-methylchoranthrene感作により作製された細胞株C3H/MCAではSsxb1およびMage-A3が発現していた。 本研究結果から、PGCの分化増殖過程でCTAはMage-B4、Mage-A3、Ssxb1の順で発現しはじめ、発現し続けることがわかった。癌の悪性形質獲得過程でのCTAsはSsxb1、Mage-A3、Mage-B4の順で発現し始め、発現し続けることがわかった。以上のことから、CTAsの発現の順序はPGCの分化と細胞の悪性化では逆である可能性を示唆した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の目標は、マウスCTAの①がん細胞の悪性形質獲得レベルによる発現順序を明らかにする。②マウスPGCの成熟過程におけるCTAの発現順序を明らかにする。ことであった。当該年度はいずれの結果も明らかにすることができ、さらに、報告者により建てられた仮説が妥当なものであることも判明した。したがって、進捗状況としては概ね順調に進展していると自己評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
報告者は、胃がんにおける4つのCTAの発現解析を実施してきている。今後はそれらに加え、2つ以上の新たなCTAの発現解析を追加する。6つのCTAの発現率及び臨床病理学的背景別にみた発現率を元に、CTAの発現と臨床病理学的背景との関連性を検討する。CTAの発現順序に関与する臨床美病理学的背景を決定した際、精巣内における各CTAの発現について、IHCもしくは、ISHにて検討する。
|
Causes of Carryover |
当初購入予定であった泳動機器が助成金額よりも高価であったため、購入すルことができなかった。 別の手法を用いて解析を行ったところ、当初の予算が余った。 今年度も泳動機器を購入できる金額に満たないため、別の手法にて解析を行う必要があり、余った金額については当該手法の試薬、ランニングコストに補填する予定である。
|
Research Products
(12 results)