2018 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of severity and reversibility of chronic right heart failure by epigenetic gene regulation
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17K16588
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
杉本 愛 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (00723941)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 右室心筋病理所見 / 先天性心疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、先天性心疾患患者の特徴として挙げられる「慢性右心不全」という病態に対して、右室心筋の切除標本の病理学的所見からこの程度や可逆性について考察し、右室機能温存を念頭に置いた治療戦略に役立てるという目的を持つ。
これまでに、右室心筋の病理標本を33例から取得した。小児例が21例(ファロー四徴症・両大血管右室起始・総動脈幹症・大動脈離断症複合・右室二腔症・左心低形成症候群)、10歳台後半~成人期の再手術例(ファロー四徴症術後遠隔期の肺動脈弁逆流・右室流出路再建術後の導管交換・完全大血管転位症術後遠隔期の肺動脈狭窄など)が12例である。 一般的な病理学的所見では、年齢が高いほど、あるいは姑息手術で長期に管理した症例ほど(この症例群は、右室圧が体血圧に長期間晒されることが多い)、心内膜の線維性肥厚や、核の大小不同を認めた。肺高血圧を有し、潜在的な左心不全が強く、それが術後に顕在化したファロー四徴症術後遠隔期の肺動脈閉鎖不全症例では、心筋細胞内のリポフスチン沈着等が見られた。肺動脈狭窄が高度で長期間持続した症例(右室圧が高値で推移)では、血管周囲の線維化を伴うようであった。また、これまでに、脂肪浸潤や炎症細胞浸潤、アミロイド沈着を認めた症例はない。 今後は、手術時に同時に採取した凍結標本を用いて免疫学的染色を行い、より詳細な病理所見(核クロマチン凝集やエピジェネティック修飾)について比較検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
右室心筋標本については、当初の予定通りのペースで順調に標本を採取できていると考えられる。
少ない症例数で、疾患群もバラバラであり、患者背景が大きく異なる事。また、少しずつ免疫染色等を行って成果がえられるほどの先行研究もない。そこで、まずは全体像を一般病理検査で把握し、その後、症例数がある程度に到達したのちに詳細な病理組織学的検討を行う予定とした。
研究期限から考えると若干遅れていると言わざるを得ないが、想定の範囲内である。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに右室心筋病理標本数は増やしつつ、今年度は、1)一般病理所見をまとめ、これと臨床所見とを比較検討する、2)免疫染色については当院の病理組織センターに相談し、内容と方法を詰める ということを行うこととしている。
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Causes of Carryover |
本研究遂行にあたり、まずはある程度の病理組織検体と情報を集める方針としたため、現時点では、発表や論文作成に至るデータを有しておらず、また、免疫染色など病理組織検査に今後資金が必要になるが、現時点ではそれらを行なっておらず、追加の支出が先送りになっているため。
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