2019 Fiscal Year Annual Research Report
medical denervation for vasospasm of coronary artery graft
Project/Area Number |
17K16599
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
横山 泰孝 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (10774276)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 冠動脈バイパス術 / 動脈グラフト / 血管周囲神経 / 薬物除神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
右胃大網動脈と橈骨動脈だけでは十分な数の実験検体が確保できなかったために途中から内胸動脈も検体として採用したことで24症例、44検体を確保することが出来た。十分な数の検体が得られたことで10% Phenolに2分浸漬すれば動脈周囲神経叢が除去されることを免疫染色にて確認することに成功した。しかし、肉眼的に血管は白色に変化し、血管自体の収縮能や拡張能も同時に失われていることが推察され、内胸動脈の未使用部分では張力実験を行うための血管長が確保できなかったために血管の収縮能や拡張能を残して血管周囲神経を除去出来ているかどうかは確認出来ていない。これは今後も実験を継続して確認しなければいけない課題として残った。 冠動脈バイパス術に使用されるグラフトの3種類は動脈であり、動脈の中でも右胃大網動脈と橈骨動脈は筋性動脈に分類され、その欠点は血管攣縮による血管径の縮小が考えられている。我々は血管攣縮の原因の一つである血管周囲神経を用手的に除去することで血管攣縮を抑制できることを報告したが、用手的に除去するには長時間を要するため、Phenolにより血管周囲神経が除去出来た事は短時間かつ手技によるバラつきがなく血管攣縮を抑制できる可能性があるという点で学術的意義は大きい。しかし、今回の手法では血管内皮機能や平滑筋機能も失われている可能性が高く、その点を克服するためには今後も研究の継続が必要だが、phenolの使用法の最適化を行う事で他の血管機能を温存したまま血管周囲神経の除去が可能になれば冠動脈バイパス術に使用された動脈グラフトの血管攣縮を抑制出来る可能性があり社会的意義も大きい研究と考えている。
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