2018 Fiscal Year Research-status Report
もやもや病iPS由来血管内皮細胞でみられるインテグリン発現低下の病態的意義の解明
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17K16620
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浜内 祝嗣 北海道大学, 医学研究院, 助教 (70794387)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | iPS細胞 / もやもや病 / 血管内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
シェアストレス実験を開始するため、灌流培養ユニットの検討を行った。ネッパジーン社の庄野式灌流培養チャンバーのデモ機を用い、ウシ脳血管内皮細胞を灌流下で培養した。15dyn/cm2で灌流し30時間後に観察をしたが、細胞が剥離し死細胞が多数認められた。次いで、日本ジェネティクス社のibidi pumpを検討した。ウシ脳血管内皮細胞を17dyn/cm2の灌流下で24時間培養した。目立った細胞死も認められず、実験に適していると判断し本製品を購入した。iPS細胞は、健常 人由来3株、もやもや病患者由来3株を有している。これまで、マウス胎児由来線維芽細胞をフィーダー細胞としてiPS細胞の培養を行っていたが、ロット差の大きい動物由来成分を可能な限り排除するため、ビトロネクチンコーティング培養皿上で、Essential 8 培地を使用し培養する、フィーダーフリー培養へと変更を行った。iPS細胞から内皮細胞への分化誘導は、iPS細胞に24時間BMP4とFGF2で処理を行い、さらに48時間、FGF2とVEGF添加した培地で処理し、最後に72時間 FGF2, VEGFとSB431542を添加し培養を行うことで分化誘導を行った。しかし、血管内皮細胞の分化誘導効率が安定せず、分化誘導プロトコールの検証を行った。分化誘導の途中にY-27632を培地中に添加することによる血管内皮細胞の誘導効率改善効果を検討したが、明らかな効果は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
血管内皮細胞の分化誘導効率の改善に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
iPS細胞から血管内皮細胞を分化誘導させる際に、動脈内皮細胞、静脈内皮細胞、リンパ管内皮細胞が同時に発生することが報告されている。もやもや病は脳動脈系の異常を特徴とする疾患であるため、動脈内皮細胞を特異的に分化誘導させる方法についても検討をおこなっていく。VEGFと共に8-Br-cAMPを培地中に添加することにより、 Ephrin B2を高度に発現する動脈内皮細胞を分化誘導できるとする報告があるため検証を行う。
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Causes of Carryover |
研究の遅れにより、研究消耗品の購入を見送ったため222,838円の次年度使用額が発生した。2019年度に全額使用の予定である。
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