2018 Fiscal Year Research-status Report
慢性腎臓病におけるミネラル結晶とコラーゲン分子の組織化障害がもたらす骨脆弱性
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17K16670
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 智弘 北海道大学, 大学病院, 助教 (60784246)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | CKD / 骨脆弱性 / ビスフォスフォネート / テリパラチド |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病モデル動物の作成(5/6腎臓摘出モデル)し、マイクロCT、赤外分光法を用いた骨質評価と血清学的、組織学的、力学的検討を行った。モデル動物は偽手術群と比較して骨質異常を呈していた。その後に骨代謝調整剤である副甲状腺ホルモン製剤とビスフォスフォネート製剤での薬効と副作用の確認を行った。いずれも骨量増加効果は見られたが、副甲状腺ホルモン製剤では血清リンが蓄積する傾向を呈していた。以上の結果を2017年度にOsteoporosi Internationalに報告した。引き続き、ビスフォスフォネートの投与法による腎機能の影響や骨強度の変化を検証した。低容量高頻度(LDHF)群はAlendronate 0.05mg/kg/day, 高容量低頻度群(HDLF)は0.7mg/kg/2weeksで10週間投与した。骨粗鬆症治療効果はマイクロCT, 力学試験, 骨組織形態計測, フーリエ変換赤外分光法(FTIR)で評価し, 腎機能は血液, 尿, 腎病理を現在評価した。BPはHDLF, LDHF製剤共に有意に骨量を増加させた。骨組織形態計測ではHDLF, LDHF共に有意に骨代謝回転を抑制した。また, HDLFはLDHFよりもさらに強い骨代謝抑制効果を示し, FTIRでも有意に基質石灰化度が高かった。しかし,力学試験において剛性の改善効果はHDLF群のほうが優れていたが,骨強度と靱性の改善効果はLDHF群が優勢であった。ShamではBPによる骨治療効果にLDHF群とHDLF群の違いはなかった.腎機能障害の悪化はHDLF, LDHF共にみられなかった。これらの関連性やメカニズムに関して現在評価を進行している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
CKDモデルの作成と骨質評価という点では論文化を終わららせることができ目的は達成されたと考えられる。実臨床で発展させる目的で、現在ビスフォスフォネートに焦点を絞って新たな知見を得ることを計画しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行しているデータの組織学的データと血清学的データを取得し、論文化し公表する予定である。
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[Presentation] 手術加療を施行した脆弱性骨折における術後骨粗鬆症検査・治療介入率の検証 -北海道10年多施設後ろ向きコホート-2018
Author(s)
太田昌博, 清水智弘,菱村亮介, 高橋要, 佐藤大, 辻本武尊, 岸本隆史, 林晴久, 宮本守孝, 佃幸憲, 髙橋大介, 高畑雅彦, 岩崎倫政
Organizer
第20回日本骨粗鬆症学会
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