2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K16739
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
須江 宣俊 宮崎大学, 医学部, 研究員 (80625509)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オレキシン / 視床下部 / 吸入麻酔薬 / 静脈麻酔薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳弓周囲視床下部(Perifornical hypothalamus; PFH)および外側視床下部(Lateral hypothalamus; LH)のオレキシン(orexin; OX)細胞と同定された細胞に麻酔薬を投与して活動電位を測定した。 PFHのOX細胞は、プロポフォール(Pro)静脈内投与(800 μg/kg/min)で単一活動電位(single unit activity; SUA)の頻度は有意に抑制(33.1±6 %; n=4)されたが、振幅は変化しなかった(96±10.6 %; n=4)。Proの投与量を変える(400 μg/kg/min)とSUAの頻度は有意に抑制(24±7 %; n=4)された。さらにProの投与量を減らすと(200 μg/kg/min)、SUAの頻度は変化しなかった(7.1±2.9 %; n=4)。このようにProを静脈内投与すると用量依存性にPFHのOX細胞のSUAの頻度は抑制された。これよりProはPFHのOX細胞活動を直接抑制することが示唆される。 同様にα2受容体作動薬であるデクスメデトミジン(DEX)を静脈内投与(1.0 μg/kg/min)するとSUAの頻度(38.5±9.6 %; n=4)は有意に抑制された。DEX投与量を(2.0 μg/kg/min)に増加するとSUAの頻度(29.1±12.3 %; n=4)は有意に抑制されたが、用量依存性は認めなかった。 吸入麻酔薬であるセボフルラン(SEV)を吸入(2%)させるとSUAの頻度は有意に抑制され(28.7±6.1 %; n=4)、その作用はGABA受容体拮抗薬であるgabazineによって拮抗された。SEV濃度を4%に変えるとSUAの頻度は有意に抑制された(35.1±10.9 %; n=4)。 1%のSEVの吸入では、(8.7±4.4 %; n=4)変化なかった。このようにSEVのSUAのp頻度に対する影響は、濃度依存性を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床が忙しくて研究時間の確保が困難であったが、実験時間が確保できるようになってきた。実験の成功率が低い。
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Strategy for Future Research Activity |
脳弓周囲視床下部(Perifornical hypothalamus; PFH)のOX細胞に関しては、静脈麻酔薬のケタミン以外の麻酔薬に関してはデータ取得できた。今後、ケタミンの作用に関して調べる予定。 外側視床下部(Lateral hypothalamus;LH)のOX細胞に関して記録できていないので今後各麻酔薬に関して実施する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額 機器を購入予定であったが、予算額と購入したい機器の見積もり額が合わないため別の機器を探索中である。予算額に見合う購入可能な機器が見つかったら購入予定である。
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