2017 Fiscal Year Research-status Report
去勢抵抗性前立腺癌におけるPRL1を標的とした新規治療戦略の開発
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17K16794
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福岡 憲一郎 広島大学, 病院(医), 医科診療医 (20794762)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 去勢抵抗性前立腺癌 / PRL1 / ERG / TMPRSS2 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は研究計画に沿って、PRL1をノックダウンした去勢抵抗性前立腺癌株の遺伝子解析をおこなった。その中で我々はETS転写因子の一つであるERGに着目した。多くの前立腺癌症例ではTMPRSS2-ERGの転座が起こっていることが報告されている。さらにアンドロゲン除去療法中のホルモン感受性前立腺癌においてはERGの発現が去勢抵抗性前立腺癌への進行の予測因子になることやタキサン系抗がん剤への耐性を誘導することが報告されていることからERGは前立腺癌の治療効果、予後に関する重要な遺伝子であると考えた。 そこで我々は前立腺全摘除を施行した前立腺癌症例325例の臨床検体を用いてERGとアンドロゲンレセプター(AR)の免疫組織学的検討を行った。ERGは325例中50例(16%)で陽性であり、ERG陽性例は全例においてAR陽性であった。以上のことからERGとARは密接な関係があると推測された。また、臨床病理学的検討ではERGの発現は予後に関連する傾向が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
我々はPRL1をノックダウンした去勢抵抗性前立腺癌株の遺伝子解析を行い、その中でETS転写因子の一つであるERGに着目した。手術標本を用いて臨床検体組織でのERGの発現を評価したが、今後、去勢抵抗性前立腺癌症例においても評価を行う必要がある。またERGそのものの細胞生物学的機能の解析がまだできていないため、今後の課題となっている。以上より、研究は当初の計画よりもやや遅れていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ERGの発現を去勢抵抗性前立腺癌においても調査していき、さらにERGの細胞生物学的機能の解析も併せて行っていく予定である。
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