2018 Fiscal Year Research-status Report
去勢抵抗性前立腺癌におけるPRL1を標的とした新規治療戦略の開発
Project/Area Number |
17K16794
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福岡 憲一郎 広島大学, 病院(医), 研究員 (20794762)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 去勢抵抗性前立腺癌 / タキサン系耐性 / KIFC1 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、これまでの研究ではタキサン系耐性メカニズムに関わる新たな分子の同定が困難と判断し、ドセタキセル、カバジタキセル耐性克服を目指し、前立腺癌細胞株を用いてドセタキセル、カバジタキセル耐性株を樹立した。増殖アッセイを行い、親株に比べ、耐性株で、それぞれドセタキセル、カバジタキセル耐性であることを確認した。当研究室でKIFC1がドセタキセル耐性に関わっていることを過去に報告しており、耐性株を使用におけるKIFC1の発現および機能を解析した。ウェスタンブロッティングではKIFC1は親株に比べ、耐性株で発現が上昇しており、KIFC1をノックダウンすることで耐性株はドセタキセル、カバジタキセルへの感受性が改善した。このメカニズムとしてKIFC1のアポトーシスシグナルへの関与を検討した。KIFC1をノックダウンするとアポトーシスが誘導されることを確認した。ドセタキセル治療を受けた去勢抵抗性前立腺癌25例におけるKIFC1の発現を免疫染色で検討したところ、KIFC1陽性群が、生存率が不良であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの研究テーマで行ってきた実験結果が思わしくなかったため、計画の変更を余儀なくされており、進捗状況はやや遅れていると思われる。しかし、タキサン系抗がん剤耐性に関わる新たな分子を同定できたため、これに絞って研究を遂行していく。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、KIFC1特異的阻害薬の効果を耐性株を用いて検討しているところである。同薬剤の効果が認められれば、動物モデルへの応用を行っていく。ドセタキセル、カバジタキセル耐性マウスを作成しKIFC1特異的阻害薬の投与による抗腫瘍効果を検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
試薬の購入について3月中を予定していたが、実験が遅れているため、購入時期をを4月以降に変更した。今後、未使用額分をその試薬に当てていく予定である。
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