2017 Fiscal Year Research-status Report
The association between postpartum depression and oxidative stress during and after pregnancy
Project/Area Number |
17K16835
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
廣瀬 明日香 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (10778468)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 抗酸化力 / 産後うつ |
Outline of Annual Research Achievements |
1、臨床研究の実行:当院で分娩を希望する妊娠中期までの妊婦60名を対象にリクルートメントを行った。試験を完遂したのは41名であったが概ね順調にリクルートメントを行うことができた。研究参加時に、母体年齢、不妊治療の有無、母体基礎疾患、成育歴、成育環境、家庭環境、生活習慣に関する、産後うつ病スクリーニング質問票を用いた評価を行った。 当初の予定通り、妊娠中期、妊娠後期、分娩後(産褥4日目)、産後1か月に血液検査、尿検査、アンケートによる調査を行った。血清を用いて、酸化マーカーとしてd-ROMs test、抗酸化マーカーとしてBAP testを行った。さらに、尿サンプルで酸化マーカーの8-OHdGを測定した。アンケートではエジンバラ産後うつ質問票、HADS質問票でうつ症状を評価した。さらに、妊娠合併症、分娩方法、胎児発育に関する妊娠産褥経過の評価も行った。 2、学会発表:中間評価として、現時点で集まった41名のデータについて酸化ストレスと産後うつの関連についての解析を行った。産後うつは分娩後3-4日の抗酸化力の低さと関連していることが明らかとなった。その内容について2018年6月に行われる国際学会で発表する予定である。 3、現時点での進行状況:当初の200名を目標とし、さらにリクルートを進めている。産後うつと酸化ストレスの関連について一層研究を重ねるとともに、抗酸化作用をもつ食品の摂取が産後うつに影響するかどうかや、睡眠状況が産後うつに及ぼす影響についても調査を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた通りに臨床研究を開始できた。200名のリクルートメントを予定していたが、同意が得られなかった者や研究脱落者がいたことから目標数に達さなかった。ただ、現在41名はすべてのデータを得られており、現在もリクルートメントを継続していることからさらに症例を蓄積できると考える。研究内容についても計画していたように進めている。中間評価として、現時点で集まった41名のデータについて酸化ストレスと産後うつの関連についての解析を行い、産後うつは分娩後3-4日の抗酸化力の低さと関連していることが明らかとなった。その内容について2018年6月に行われる国際学会で発表する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在も目標対象者数に達するようにリクルートメントを継続しており、本年度もデータを蓄積する予定である。現在得られているデータからは産後うつと酸化ストレスの関連についての解析を行っているが、今後、抗酸化作用をもつ食品の摂取が産後うつに影響するかどうかや、睡眠状況が産後うつに及ぼす影響についても調査を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
対象者が予定数を下回ったため、計4回の血清中・尿中の酸化マーカーと抗酸化マーカーの測定、エジンバラ産後うつ質問票をはじめとする種々のアンケート調査を行う回数も減少した。dROMテスト、BAPテストの専用試薬や、ランセット、ミクロベット、ピペットチップを含むディスポーザブル測定用備品の必要数が少なかったため、次年度使用額が生じた。 使用計画としては、上記の専用試薬や備品の購入と、研究成果を国内外での学会で発表するための旅費や、英語論文の投稿のための英文校正費に充てる予定である。
|