2018 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病モデルマウスを用いた糖尿病性聴覚障害、前庭機能障害の横断的検討
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17K16905
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉本 賢文 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30759668)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 聴力 / 前庭機能 / ABR / VEMP |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】糖尿病に合併する聴覚障害、前庭機能障害には未解明な点が多く、機序、予防・治療法は確立していない。内耳の構造的な観点から、糖尿病性聴覚障害と前庭機能障害の関連する可能性が高いが、動物実験での前庭機能評価法が困難であった為、まだ解析が進んでいない。 【目的】本研究では、糖尿病モデルマウスを用いて、前庭誘発筋電位(VEMP)、聴性脳幹反応(ABR)および歪成分耳音響放射(DPOAE)測定を経時的に実施し、糖尿病に合併する聴覚障害と前庭機能障害の進行経過と原因部位を明らかにする。 【結果】本年度は、2型糖尿病モデルマウスとして、C57BL6/J系統の野生型マウスに高脂肪食を投与した(high fat diet; HFD)マウスを用いた。また、レプチンに変異をもつ肥満モデルマウスのob/obマウスも用いた。HFDマウスは3ヶ月間の投与により、体重と血糖値の増加が有意に増加した。一方、ob/obマウスは既に報告されているように4-6週齢で一過性の高血糖を呈した。約5ヶ月間、DPOAEとABRを経時的に測定した所、対象群と比較して、HFD群は12 kHzと20 kHzの音域で聴力を維持する傾向を示した。一方、ob/obマウスではそのような傾向は観られなかった。 【今後の検討課題】対象群と比較してHFD群とob/ob群は体格が大きく異なるが、これらのマウスでもVEMP測定が安定的に出来るようになった為、今後、VEMPの経時的な測定を実施する予定である。既に、未だ例数は限られているが、2ヶ月齢前後のマウスでもVEMPを測定出来る見通しが得られている。今回のABRとDPOAEの結果は予想に反する傾向であるが、HFD投与よりC57BL6/J系統の野生型マウスのABRの成績が改善した報告もある。今後は、例数を増やすと共に、1型糖尿病モデルマウスの測定も実施して、慎重に検証を重ねる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
糖尿病モデルマウスのABRとDPOAEの経時的測定は順調に進み、VEMPの測定準備も完了した為。
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Strategy for Future Research Activity |
糖尿病モデルマウスの例数を増やして、ABR, DPOAEおよびVEMPの経時測定を進める。
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