2018 Fiscal Year Research-status Report
Impact on the hearing by lack of mitochondrial tRNA modifier
Project/Area Number |
17K16927
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小川 晋太郎 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (10785190)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 加齢性難聴 / ミトコンドリア機能異常 / メタボローム解析 / cdk5rap1 / tRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
トランスファーRNA(tRNA)の化学修飾異常が2型糖尿病やミトコンドリア(mt)病の発症要因の一つであることが明らかになり、注目を集めている。一方、上記2つの疾患と難聴に関する報告は耳科領域で数多くなされている(Yamasoba,2013)が、tRNA修飾異常が聴覚機能に影響するかどうかはについては不明である。 本研究においては、「tRNA修飾異常が感音難聴や老人性難聴の発症要因の一つである」と仮説を立て、そのことをcdk5rap1欠失マウスを用いて検討を行った。このマウスはcdk5rap1の欠失によりtRNA修飾の一つであるチオメチル化修飾が合成できない、tRNA修飾異常モデルマウスである。 Mt-tRNAの化学修飾はコドン解読の際の誤翻訳の防止に必須であり, 化学修飾の欠損は誤翻訳を惹起し, 電子伝達系タンパク質合成を減少させ, 活性酸素の産生を誘起し組織傷害を起こすと考えられている. 昨年までの検討で、cdk5rap1欠失マウスは加齢とともに難聴が進行することがわかった。今年度は、蝸牛内の代謝産物を探るために、メタボローム解析を行った。 メタボローム解析の結果、加齢性難聴が発症する段階で、内耳内に好気呼吸・嫌気呼吸・解糖系代謝産物が増加していることが明らかとなった。このことより、加齢性難聴の発症にmt機能異常が関与することが代謝レベルで明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
cdk5rap1 KOマウスの産子が良好であり、適切な解析が行われ、研究を協力してもらっている委託機関の研究解析も良好に行われている。
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Strategy for Future Research Activity |
さらなる解析を行うため、電子顕微鏡によるミトコンドリアの観察を行う予定である。
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Causes of Carryover |
追加実験に必要な電子顕微鏡の使用費、サンプル作成費に使用するため。
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