2018 Fiscal Year Annual Research Report
Sublingual administration with phosphorylcholine controls allergic rhinitis in mice
Project/Area Number |
17K16929
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
牧瀬 高穂 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (30585120)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 舌下免疫 / ホスホリルコリン / アレルギー性鼻炎 / 好酸球 / 粘膜障害 / OVA / IgE / TGF-β1 |
Outline of Annual Research Achievements |
舌下粘膜を介した舌下免疫はワクチン投与経路として着目されており、その有用性が複数報告されている。ワクチン投与に際し、その副反応としてアレルギー炎症が惹起されることが懸念される。そこで、ワクチンとしての有用性が期待されるホスホリルコリンによる舌下免疫応答が、それに引き続き感作発症させたアレルギー性鼻炎の免疫応答に与える影響について検討した。 BALB/cマウスを用い、ホスホリルコリン舌下投与群とリン酸緩衝液舌下投与群(コントロール群)を作成し、それぞれの舌下投与に続いて卵白アルブミン(OVA)を感作発症させるアレルギー性鼻炎モデルを作成した。OVAの感作発症後に鼻症状、血清免疫グロブリン、鼻粘膜局所の炎症反応(好酸球浸潤、粘膜上皮障害)について評価を行った。また、舌下組織の所属リンパ節である頸部リンパ節と脾臓のCD4陽性T細胞から産生される抗原特異的サイトカインを測定した。 血清中ホスホリルコリン特異的IgM、G、Aの産生がホスホリルコリン舌下投与群で有意に亢進することを確認した。OVA感作発症後は、鼻症状(くしゃみ回数、鼻かき回数)、鼻粘膜好酸球浸潤、鼻粘膜上皮障害がホスホリルコリン舌下投与群において有意に抑制された。また、血清中の総IgEおよびOVA特異的IgEの産生は、ホスホリルコリン舌下投与群で有意に抑制された。抗原特異的サイトカイン産生は、頸部リンパ節および脾臓において、TGF-β1の産生が有意に亢進していた。 本研究では、ホスホリルコリンの舌下投与がアレルギー性鼻炎の1次予防もしくは2次予防として有効であること、ホスホリルコリン舌下投与により頸部リンパ節及び脾臓でTGF-β1の産生が増加し、その後の免疫応答やIgEのクラススイッチが抑制され、その結果、ホスホリルコリン舌下投与後のアレルギー性鼻炎感作発症が抑制されている可能性が示唆された。
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