2019 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanism of propofol infusion syndrome - the potency of dexmedetomidine as a treatment or prevention of propofol infusion syndrome
Project/Area Number |
17K17059
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
茶木 友浩 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (30758701)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | プロポフォール注入症候群 / 脂肪製剤 / 骨格筋障害 / 脂質過酸化反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラットに対して静脈麻酔薬であるプロポフォールの溶媒である脂肪製剤を3日間持続投与したところ、血液データ上、骨格筋障害を呈するが、プロポフォール製剤自体を3日間持続投与した場合には、骨格筋障害が生じないことwを明らかにした。骨格筋障害というプロポフォール注入症候群の兆候の中でも最も特徴的な横紋筋融解、骨格筋障害に焦点をあて、病態の解析を行った。脂肪製剤中に多く含まれる多価不飽和脂肪酸には、脂質過酸化反応という一種の酸化ストレスを介して、様々な組織に障害をもたらすことが知られる一方、プロポフォールには脂質過酸化反応を抑制する効果があることが知られている。そこで、脂質過酸化反応マーカーである4-hydroxynonenalやmalondialdehydeに関して、骨格筋における産生量を評価したところ、脂肪製剤のみを投与したラットでは脂質過酸化反応マーカーが増加したが、プロポフォール製剤では脂質過酸化反応マーカーが増加しないことが明らかとなった。さらに、脂質過酸化反応の中間生成物として反応に関与するスーパーオキサイド産生量に関しても、骨格筋を検体として評価した結果、脂肪製剤のみを投与したラットの骨格筋でスーパーオキサイド産生量が増加する結果となった。以上の結果から、プロポフォール注入症候群で見られる骨格筋障害の発生に、プロポフォールの溶媒である脂肪製剤が脂質過酸化反応を介して関与している可能性があるとともに、プロポフォール自体は、その脂質過酸化反応を抑制している可能性が示唆された。本研究から、プロポフォール注入症候群の病態に関して解析を行う際には、プロポフォール自体だけではなく、溶媒にも焦点をあてた解析を行う必要性があると考えられる。
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Research Products
(1 results)