2020 Fiscal Year Research-status Report
放射線災害対応の教訓をもとにした放射線看護教育パッケージの開発と評価
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17K17401
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉田 浩二 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (30722392)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 看護教育学 / 放射線看護教育 / 放射線災害 / ベラルーシ共和国 / 教育教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、福島の放射線災害後に看護職(看護師・保健師)が経験した放射線に関する問題への対応困難事例を分析し、それを基にした看護職が求める教材を作成およびその教材を使用した教育とでパッケージ化し、その有効性を評価すること、また、その評価をもとに看護職および看護学生に対する放射線災害教育の在り方を考えることを目的としている。 これまでに放射線災害後に福島県内で活動した看護職者、または放射線看護教育に携わっている看護職者の語り(福島県に支援に入る前の準備状況、支援に入ったときの状況、その際の心境、支援中の活動内容や活用した知識、支援活動後の自身の振り返りなど)を聴取した。研究参加者からは当時の支援内容や現在の関わり、支援に必要であった放射線に関する知識など具体的な内容が語られた。この結果から放射線災害後の看護師に必要な能力やスキルについてまとめ、日本放射線看護学会第9回学術集会において発表した。また、同学術集会において、交流集会を企画し、参加者らと看護職に対する原子力災害医療教育についての意見交換を行った。さらには、過去の事例の教訓を聴取するために、ベラルーシ共和国を訪問し、関係各所を訪ね、放射線教育についての意見交換を行った。この訪問の結果は、チェルノブイリ原発事故後のベラルーシ共和国における放射線教育の内容としてまとめ、本邦の放射線教育への示唆として公表した。現在は、教育内容の整理および教材コンテンツの評価を行い、さらなる改良に向けて着手している。今後はオンデマンド資料として動画教材の作成も着手する予定である。しかしながら昨今の新型コロナウィルスの影響下で対面による教育実施や評価が困難なことからその対応を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大防止の影響により、教育評価に難儀している。
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Strategy for Future Research Activity |
教材コンテンツの作成とその評価をすすめていく。 現在新型コロナウィルスの影響下で対面での教育実施が困難な状況であるため、オンライン教材の提供を検討していく。 また引き続き本研究で得られた成果については広く公表していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究の遅れから公表の遅れにつながり、旅費やそれに伴う使用が少なかった。 公表や教材作成に係る予算が必要であるため、繰り越し金として使用する。
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