2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of positive experience scale for prenatal father
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17K17463
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武石 陽子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (00586505)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肯定的な体験 / 父親役割 / 妊娠 / 移行期 / ポジティブな感情 / 自己成長 / 家族への責任感 / 育児参加の促進 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠期における男性の肯定的な体験や感情を明らかにするという目的に対し、本年度は第1子を妊娠する妻を持つ夫に対するインタビュー調査・分析を行った。のべ10名(妻が妊娠中:7名、妻が出産後:3名)の対象者のうち、妻が妊娠中であった対象者の妻の妊娠週数は17-38週であった。質的帰納的に分析した結果、229のコードが抽出された.これらは43のサブカテゴリーに分類され,さらに【男性としての役割達成】【妊娠そのものへの喜び】【妊娠している妻を気遣う】【妊娠,出産,育児への関心の高まり】【妻との関係や時間を大切にする】【父親になることへの喜び】【我が子を実感して嬉しい】【将来の我が子や家族を想像して楽しい】【親になることによる変化を肯定的にとらえている】【周囲のサポート,環境が嬉しい】の10のカテゴリーに分類された.昨年度行った文献検討と比較すると,全てのカテゴリーが一致したが,文献検討では認められなかったサブカテゴリーが13存在した。一方で,文献検討独自のものとしては,14のサブカテゴリーが存在した.文献およびインタビューから得られたサブカテゴリーから57項目を含む妊娠期男性肯定感尺度を作成し、web調査を行った。基礎統計および探索的因子分析により3因子28項目に精選され、Chronbach’s αを算出し信頼性を確保した。うつ症状得点(CES-D)との負の相関、夫婦関係満足度(QMI)との正の相関により基準関連妥当性が確保され、妊娠の計画性の有無と妊娠時の感情による妊娠期の男性肯定感尺度得点の有意な差から基地概念妥当性が確保された。今後、本尺度と育児期の養育状況やうつ症状などとの関連検証により、妊娠期の男性の肯定感がその後に続く育児期の健康的な養育状況へつながるか明らかにしていく必要がある。
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