2017 Fiscal Year Research-status Report
IPV被害妊婦の健全な育児とメンタルヘルス改善に向けたプログラム開発と効果の検証
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17K17464
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
キタ 幸子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (70757046)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | パートナーからの暴力 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 実施概要:IPV被害女性の周産期ケアプログラム及び周産期医療者に対するIPV教育プログラム開発に向けて、平成29年度はIPV被害者の心身の健康状態と回復過程、その促進要因・阻害要因、支援ニーズを明らかにするために、文献研究、既存データの解析、過去にIPV被害を経験した女性に対するインタビュー調査を実施した。 2. 実施計画:1) 既存の介入プログラムの内容・時期とその有効性、IPV被害女性の健康状態・回復過程及びその要因等に関して、網羅的に既存研究を調べ、プログラムの詳細な内容等を検討した。2) 過去に研究者が実施したIPV被害女性に対する妊娠期におけるケアニーズ調査のデータを解析し、IPV被害妊婦が抱える具体的な日常生活上の問題やニーズを明らかにし、プログラム内容や適切な介入時期、評価方法の検討を行った。3) 更に、IPV被害女性の心身・社会的な回復を促すプログラムを検討・開発するために、IPV被害女性の視点から暴力を受けた後の回復プロセス及び回復に影響を与える促進要因・阻害要因を明らかにすることを目的とした、過去にIPV被害を経験した女性に対する個別インタビュー調査を実施した。インタビュー調査は、ミシガン大学Denise M. Saint Arnault氏(Department of Health Behavior and Biological Sciences, School of Nursing准教授)によるインタビュー手法の指導及び都内のIPV支援団体の協力を得ながら、平成29年11月より行い、平成30年3月末で18名のインタビューを終了している。目標例数の25名までインタビューを継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由:当初の29年度の計画では、ケアプログラム及び教育プログラム開発向けて文献研究・既存データの解析・IPV被害女性へのインタビュー調査、医療者への聞き取り調査を行う予定であった。しかし、IPV被害女性へのインタビュー調査の計画・開始において、対象者の十分な安全性・フォローアップ体制の確立に向けたフィールドとの検討・調整に時間を有し、平成30年11月からの調査開始となり、現在も調査中である。現在、医療者の聞き取り調査に向けてフィールドと調整を行っている段階である。よって、当初の計画よりもやや遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在行っている被害女性へのインタビュー調査は平成30年6月末に終了する予定である。また医療者の聞き取り調査も7月末までに実施、それらの結果を基に、IPV被害妊婦の実情・ニーズに合ったケアプログラム・教育プログラム案を開発する。平成30年9月にはケアプログラムの効果検証として、都内産科施設でランダム化比較試験を用いた介入研究を実施する。また被害女性のインタビュー調査の結果に関しては、質的記述的分析を用いて解析し、論文執筆・英文雑誌投稿、学会発表により成果発表する予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度に終了する予定であったIPV被害女性のインタビュー調査及び医療者への聞き取り調査が、フィールドとの調整・交渉の都合により、被害女性へのインタビュー調査は平成30年6月末、医療者への聞き取り調査は平成30年7月末まで実施することとなった。そのため、調査に必要になる対象者の謝礼、調査交通費、研究補助者の給与に使用する予定である。
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Research Products
(11 results)