2018 Fiscal Year Research-status Report
IPV被害妊婦の健全な育児とメンタルヘルス改善に向けたプログラム開発と効果の検証
Project/Area Number |
17K17464
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
キタ 幸子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (70757046)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | パートナーからの暴力 / メンタルヘルス / 育児 |
Outline of Annual Research Achievements |
実施概要:IPV被害女性の周産期ケアプログラム及び周産期医療者に対するIPV教育プログラム開発・効果検証に向けて、平成30年度はIPV被害を経験した女性に対するナラティブインタビュー法を用いた介入の効果検証(介入研究)、暴力被害等の社会的困難を抱える妊婦に対する助産師による介入の効果検証(調査研究)を実施した。 実施の詳細:1) 過去にIPV被害を経験した女性23名に心理・社会的回復を促すナラティブインタビューを用いた介入研究(前後比較試験)を実施し平成30年9月に終了した。本研究はミシガン大学Denise M. Saint Arnault氏(Department of Health Behavior and Biological Sciences, School of Nursing教授)との国際共同研究として実施し、現在、Saint Arnault氏の指導・助言を受けながら、解析を行っている。2) IPV被害といった社会的に困難を抱える妊婦を対象とした心理社会的支援を継続して行う助産師による「支援外来」が及ぼす産後の育児や周産期メンタルヘルスへの効果を明らかにすることを目的に、平成25年~26年度に都内産科施設1か所で実施した縦断観察調査の協力者を対象に、平成30年7月~9月に追加のカルテ調査を実施した。現在、解析を行っており、平成31年度に国際学術雑誌に論文投稿する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の30年度の計画では、IPV被害女性へのケアプログラムの効果検証及びIPV教育プログラム開発に向けた医療者への聞き取り調査(パイロット調査)を行う予定であった。しかし、過去にIPV被害を受けた女性23名へのナラティブインタビューを用いた介入研究では、対象者のインタビュー日程の調整や対象者の十分な安全確保のためのフィールドとの再調整等に時間を有し、当初より遅れて平成30年9月に調査が終了した。また、「支援外来」に関する追加のカルテ調査では、フィールドとの調整に時間を有し、平成30年9月に調査が終了し、現在、解析を行っている段階である。そのため、IPV教育プログラム開発に向けたパイロット調査は行えておらず、当初の計画よりもやや遅れていると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在行っている解析は平成31年6月末までに終了する予定である。それらの結果を基に、IPV被害妊婦の実情・ニーズに合った教育プログラムを開発し、平成31年8月には医療者へのパイロット調査を経て、平成31年10月頃に周産期医療者に対する教育プログラムの効果を検証することを目的とした介入研究を実施する予定である。またIPV被害女性へのケアプログラム・教育プログラムに関する調査の結果に関しては、論文執筆・英文雑誌投稿、学会発表により成果発表する予定である。
|
Causes of Carryover |
平成30年度はIPV被害女性へのケアプログラム開発・効果検証による調査が、対象者とフィールドとの調整等により当初の予定より遅く終了したため、計画していた教育プログラムのパイロット調査まで至らなかった。平成31年度は、平成30年度の調査結果を基に、周産期医療者への教育プログラムを開発し、平成31年8月にパイロット調査、平成31年10月に教育プログラムの介入研究を実施する予定である。そのため、対象者への謝礼、調査旅費、質問紙の印刷費、研究補助員の給与として使用する予定である。また研究の成果発表のために、英文校正費、旅費として使用する計画である。
|
Research Products
(8 results)