2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K17485
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
手塚 綾 杏林大学, 保健学部, 学内講師 (30713565)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 分娩 / 帝王切開 / 心的外傷後成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、分娩後の心的外傷後成長について、分娩方法別の発生割合とその程度、および心的外傷後成長の予測要因を明らかにすることで、分娩後の心的外傷後成長を促すような看護支援に対する示唆を得ることを目的とする。 平成29年度は質問紙作成に向けて、心的外傷後成長の関連要因に関する文献レビューを行った。国内外の文献より、分娩後の心的外傷後成長に関する研究、他分野において心的外傷後成長の関連要因を探究した研究(がんで親を亡くした子ども、一般大学生を対象にした研究)をレビューしたところ、分娩後の心的外傷後成長の関連要因は、主に個人的要因・出来事(分娩)に関する要因・事後(分娩後)の要因の3つに整理された。さらに、研究代表者の帝王切開分娩に関する先行研究(谷口ら, 2014; 谷口, 2015)より、分娩に対する〈意味づけ〉に関する要因を加え、心的外傷後成長の包括的モデルに沿って本研究の概念枠組みを検討した。検討に際しては、心的外傷後成長に関する研究を行っている研究者から助言を得た。当初の計画に比べ文献レビューに時間を要したが、心的外傷後成長の理論上は関連要因に挙げられている変数が、先行研究では統計上有意にならない場合も見受けられ、各概念の内容や概念間の関係を十分吟味する必要があることがわかり、重要な研究過程だったと考える。 今後はさらに検討を重ねて概念枠組みを完成させ、仮説から変数を整理して質問紙を完成させていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成29年度には、質問紙を作成して信頼性・妥当性を検証し、倫理審査委員会にて承認を得る計画であった。しかし、概念枠組みを検討する上での文献レビューに時間を要したため、質問紙の作成まで至らなかった。当初の計画より大幅に遅れているため、次年度にインターネット調査を実施できるように、まずは質問紙の作成を早急に進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
質問紙を作成して信頼性・妥当性を検証した後、倫理審査委員会の申請準備を進める。対象者の条件、対象者数については、質問紙の内容が確定した時点で再度検討し直す。
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Causes of Carryover |
文献レビューに時間を要したため、統計関連図書や記録媒体、文具類の購入まで至らなかった。また、通常業務との兼ね合いで参加できない学会があり、旅費等を使用しなかった。今後の使用計画としては、次年度はインターネット調査を行うため、予算通りの支出になると考えられる。最終年度はオープンアクセスジャーナルへの論文投稿を予定しており、投稿料として今年度使用しなかった経費を計上する予定である。
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