2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K17485
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
手塚 綾 杏林大学, 保健学部, 学内講師 (30713565)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 分娩 / 帝王切開 / 心的外傷後成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、分娩後の心的外傷後成長について、分娩方法別の発生割合とその程度、および心的外傷後成長の予測要因を明らかにすることで、分娩後の心的外傷後成長を促すような看護支援に対する示唆を得ることを目的とする。 平成30年度は、前年度に引き続き文献レビューを行い、研究計画書の見直しと質問紙の作成に取り組んだ。分娩後の心的外傷後成長の予測要因については、先行研究で明らかにされた要因を整理して、心的外傷後成長の包括的モデルに基づき、本研究の概念枠組みを検討した。しかし、心的外傷後成長の研究に精通した研究者の助言を得ながら検討を進めたところ、研究対象や予測要因の変数を決定する上でさらなる文献レビューを行う必要が生じた。具体的には、分娩後の心的外傷後成長の前提として、すべての分娩がトラウマティックな要素を含んで心的外傷後成長につながりうるのか、それともトラウマティックな分娩が特に心的外傷後成長につながるのかについて、統一された見解のないことが明らかとなった。そのため、分娩後の心的外傷後成長に先立つ様々な外傷体験(トラウマティックな分娩体験、ネガティブな分娩体験、帝王切開等)について、心的外傷後成長との関連を整理しなおす必要が生じた。分娩後の心的外傷後成長に関する先行研究だけでは文献数が少ないため、今後は他の分野の心的外傷後成長の文献や分娩の外傷体験に関する質的研究等もレビューする必要がある。 なお、平成30年度は、産前産後休暇・育児休業取得にあたり11月末で研究を中断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成30年度には質問紙を完成させ、倫理審査委員会の承認を得る計画であった。しかし、概念枠組みを検討する上で、さらなる文献レビューの必要が生じたため、当初の計画より大幅に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
分娩後の心的外傷後成長に関する先行研究だけでは文献数が少ないため、他の分野の心的外傷後成長の文献や分娩の外傷体験に関する質的研究等もレビューして、本研究の概念枠組みを検討し直す。検討にあたっては、これまでと同様に、心的外傷後成長の研究に精通した研究者の助言を受けながら進める。
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Causes of Carryover |
文献レビューに時間を要したため、予算を計上していたインターネット調査の実施まで至らなかった。また、産前産後休暇・育児休業取得のため、学会への参加ができず、旅費等を使用しなかった。 育児休業終了後より研究を再開するが、インターネット調査のための予算は当初の計画通りの支出になると考えられる。また、調査実施後はオープンアクセスジャーナルへの論文投稿を予定しているため、投稿料としてこれまで使用しなかった経費を計上する予定である。
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