2021 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of Posttraumatic Growth and Related Factors after delivery
Project/Area Number |
17K17485
|
Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
手塚 綾 杏林大学, 保健学部, 学内講師 (30713565)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 分娩 / 外傷体験 / 心的外傷後成長 / 出産満足度尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、分娩後に心的外傷後成長(以下PTG)が起こる割合とその関連要因を明らかにすることで、分娩後のPTGを促すような看護支援に対する示唆を得ることを目的とした。 まず、PTGの関連要因について、分娩後以外に死産・早産等の周産期およびがん・死別等の他分野も含め、広く文献レビューを行った。そして、PTGの概念モデルを参考にしながら研究の概念枠組みを検討した。しかし、概念枠組みを検討する中で、分娩後のPTGに関する先行研究ではPTGの前提となる外傷体験の定義が統一されていないこと、そして理論上は関連要因となる変数が統計上有意にならない場合もあり、各概念の内容や測定尺度を十分吟味する必要があることが課題となった。そこで分娩における外傷体験の構成要素についてさらなる文献レビューを行い、概念枠組みと具体的な研究計画を練っていったところ、対象選定において、分娩を外傷体験と捉え、さらにその後PTGが起こった対象は一部であり、本研究の意図する分娩後のPTGを促す看護支援につながる要因を明らかにするためには、非常に多くのサンプルサイズが必要になるという問題が生じた。 そのため、研究の方向性を見直し、今回は測定尺度として使用する予定であったThe Birth Satisfaction Scale-Revised (以下BSS-R)の日本語版開発を主に行うこととした。最終年度は、原著者から日本語版作成について許可を得た上で、日本語への翻訳、認知デブリーフィングを経て、妥当性・信頼性の検証のためにインターネット調査を行った。BSS-Rは出産満足度を複数の構成要素から捉えた尺度で、これまで多言語に翻訳されて妥当性・信頼性が確認されている。10項目の簡便な尺度であり、日本語版を開発することで出産満足度を測定するツールとして広く使用でき、また、同じ尺度を用いて出産満足度の国際比較も可能になると考えられる。
|