2017 Fiscal Year Research-status Report
多重制約下における育児期女性の就労継続・退職考慮過程の解明
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17K17491
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
長谷川 有香 中京大学, 心理学部, 助教 (10707201)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 育児期女性 / 働く母親 / 就労継続 / 職場復帰 / 退職 / ワーク・ライフ・バランス / 性役割観 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,育児期女性が,仕事や家庭の都合など複数の制約条件がある中で,どのように就労の継続または退職についての意思決定を行うのかを明らかにすることである。その中で,本年度は,1.質問項目の収集,2.web調査の実施,3.作成した尺度の分析,を行った。1.質問項目の収集について,就労継続または退職した場合のメリットやデメリットを測定するための項目を収集した。そのために,関連文献を集めるとともに,乳幼児を育てながら働いている女性を対象に,出産後仕事復帰するかどうかについての意思決定をしたときのことを尋ねる予備調査を実施した。2.web調査の実施について,インターネット・リサーチ会社を利用し,末子が未就学児で,かつ末子妊娠時にフルタイムで働いていた女性647名(うち現在フルタイム勤務している女性が224名,パートタイム勤務が205名,専業主婦が218名)を対象に調査を行った。調査内容は,就労継続・退職にかかるメリット・デメリットや,就労継続・退職した場合の生活の見通し,仕事の特徴やソーシャル・サポート,性役割観,就労継続・退職の決断についての後悔,現在の精神的健康について尋ねるものであった。3.作成した尺度の分析について,就労継続・退職にかかるメリットやデメリットについて因子分析を行い,「仕事を続けるメリット」,「仕事を続ける懸念」,「仕事を辞めるメリット」の3因子を抽出した。その他の要因も含めた分析結果を,平成30年度の学会にて発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で述べたように,交付申請書の計画に沿って,予備調査や本調査を実施することができた。結果の報告については,尺度の分析結果を平成29年度中に国内学会で発表予定であったが,研究代表者の所属変更に関連して日程的に発表が難しくなってしまったため,平成30年度に,より分析を進めた形での発表を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,不本意な選択を迫られた場合の折り合いのつけ方や夫婦での対応についてのデータを加え,さらに包括的な検討を行う予定である。
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