2018 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症に対する認知リハビリテーションが脳の神経活動に与える効果の解明
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17K17556
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 貴雄 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (40779427)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 認知機能 / 事象関連電位 / 精神障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は統合失調症患者に対する認知リハビリテーション(認知矯正療法)が脳の神経活動にあたえる効果を脳波の一種である事象関連電位の変化から検討することである。認知リハビリテーション自体のメインアウトカムである認知機能や社会機能に対する効果的な介入はできているものの、本研究のメインアウトカムである事象関連電位の変化を注意課題時のP300や記憶課題時のP300や神経同期から検討していたが、期待していた効果が乏しいことが判明してきた。 そのため、まず2017年度までの研究計画を見直し、新たに研究計画書を作成し倫理委員会で承認を得た。それに合わせてこれまで行ってきたデータ収集に新たな項目を追加できる見込みとなった。 2018年度の成果としては統合失調症患者への認知リハビリテーションの介入効果を対照群と比較して解析し、ERPや主観的QOLへの効果を明らかにし国際学会で発表したことである。また学会での情報交換を参考にこれまでの成果を論文で報告すべく、執筆に取り掛かった。現在は概ね完成したため共著者に確認を取っている段階である。 また新しく申請した計画書に合わせてやリハビリテーション介入前後で今後は新たな事象関連電位の指標や手指巧緻性検査を実施し、現実社会で求められる機能にどこまで効果をもたらしているかを同時に検証していく予定で、その準備が完了した。 4月以降はスタッフの入れ替わりがあるため研修などで早期に体制を整え、研究を継続していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
メインのアウトカムとして考えていた事象関連電位に目立った変化がないことが明らかになってきた。そのため、リハビリテーションの効果を示す新たな効果指標を設定する必要が生じ、その準備に時間を要した。 これまでの成果については一度論文にまとめることとした。
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Strategy for Future Research Activity |
新規に作成した計画書をもとにデータ収集を再開した。 また年度が替わりスタッフの体制に変化があったため対応してもらえるスタッフの教育や運営体制の整備を早期に終えられるよう準備している。 予定通りに進めば夏までにスタッフの研修会への参加が終了し、介入とデータ収集が効率的に進むと考えられる。 また現時点までの成果を論文にまとめており、今年度中のアクセプトを目指して執筆を進める予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画の見直しに時間を要したため予定よりも研究費の消費が少なく済んだ。研究計画の見直しとともにこれまでの成果を報告する予定となっており、その際に英文校閲や論文掲載料で残額を使用する予定になっている。 また2019年度分の助成金を用いて引き続きし、見直した研究計画に沿って研究をうんえいしていくよていである。
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