2021 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症に対する認知リハビリテーションが脳の神経活動に与える効果の解明
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17K17556
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Research Institution | Osaka Kawasaki Rehabilitation University |
Principal Investigator |
井上 貴雄 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 講師 (40779427)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知機能 / 神経可塑性 / 事象関連電位 / 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症の認知機能障害に対する治療として認知リハビリテーション(以下、認知リハ)が開発され、応募者も実践し、認知機能や疾患特異的なQOLにおける効果を明らかにしてきた。本研究の目的は認知リハが統合失調症患者の脳の神経活動に与える影響を脳波の1種である事象関連電位(ERP:Event Related Potential)を用いて解明することである。そのため、統合失調症患者に対し認知リハ介入を実施し、その前後で複数のERPを測定し比較する。本研究によって、認知リハが脳の神経活動にどのような変化をもたらすのか生理学的な観点からあきらかにする。本研究により統合失調症に対する認知リハの効果を生理学的な観点から評価することができ、より効果的な認知リハを開発するための足掛かりになると考える。 得られた結果より、NEARによる認知リハ介入では神経心理学検査などの行動学検査では成績が向上するが、注意課題時のP300や記銘課題時の後期陽性成分などのERP、また時間周波数解析による各帯域の神経活動のパワー値の変化では効果を把握できるレベルでは脳の神経活動には変化が生じないということが明らかになった。 本研究では既に予定の対象数からデータ収集を終え、国際学会へ投稿し採択済みである。学会が延期となっていたが2022年度夏季に開催される見込みとなっているため、報告予定となっている。また、論文の完成・アクセプトに努めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度までは新型コロナウイルス感染拡大に伴いに研究の進捗に大きな停滞が生じた。補足のデータ収集が思うように進まずに論文の執筆にも影響が出てしまった。 2020年度終了時点では研究の予定の8割程度の対象数のデータを収集済みであった。また既に蓄積されただーたを使用して国際学会などで報告してきた。現在は論文投稿のために必要と考えられる補足データの収集の準備が整い、新型コロナウイルス感染拡大状況が落ち着き、研究機関のBCPレベルが2以下になるのを待っている状況である。
2021年度は可能な範囲でテータの補足を行い、予定していた国際学会での報告が延期となってしまったが、2022年度夏季に開催予定であるため、そこでの方向を予定している。 また現在は論文投稿作業を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
下記に国際学会での発表を行い、今年度中に論文のアクセプトされるよう進めていきたい。
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Causes of Carryover |
既に抄録が採択されている交際学会の開催が2022年度夏季に延期されたため、その学会参加費および旅費が使用されずに残ってしまった。また、データ収集に遅れが出てしまい、論文の英訳や投稿料に関する支出も2022年度になってしまったため、持ち越しのなった。
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