2018 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of elastic constants of the positive electrode materials for lithium-ion battery
Project/Area Number |
17K17603
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 勇太 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (60774081)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 電気化学ポテンシャルプローブ / 応力 / Li化学ポテンシャル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、応力により引き起こされる物性変化の大きさを定量的に評価するための装置の作製と、それを用いた物性変化の定量評価を行った。より具体的には、リチウムイオン二次電池電極材料を対象とし、応力印加時のLi化学ポテンシャル変化を定量評価できる電気化学ポテンシャルプローブの開発を行った。この電気化学ポテンシャルプローブは、電解質、参照電極、集電体により構成されている。このプローブを、応力が印加された電極材料に接触させ、参照電極と電極材料間の起電力を測定することにより、応力印加時の電極材料のLi化学ポテンシャル変化量を定量評価することを考えた。当初は、電気化学ポテンシャルプローブとして、矩形状に切り出した無機固体電解質上に、LiCoO2の薄膜を成膜し、そこに集電体として白金メッシュを取り付けたものを検討した。本プローブを、応力が印加された電極材料に接触させたが、接触抵抗が大きく、起電力を測定することができなかった。そこで次に、接触抵抗を減らすことを考え、白金によりコーティングされたSiO2基板上に、LiCoO2の薄膜を成膜したものを作製した。これを参照電極及び集電体とし、応力が印加された電極材料との間にポリマー電解質を挟んで起電力を測定することを試みた。しかしながら、この場合も接触抵抗が大きく、起電力を測定できなかった。そこで、さらに接触抵抗を低減するために、ポリマー電解質の代わりに水系電解液を用いたところ、起電力が観測された。しかしながら、測定された値は、理論的に予測される値から大きく異なった。そこで、水系電解液の代わりに、有機電解液を用いた。さらに、有機電解液が空気と触れないようにするため、測定系全体をアルミラミフィルムで覆ったところ、理論値に近い起電力を測定することができた。以上の経緯で、目的とするプローブを開発し、応力印加時のLi化学ポテンシャル変化を定量評価できた。
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