2018 Fiscal Year Research-status Report
軽度認知症高齢者の強みを生かすケアに向けたIADL評価と生活機能のアウトカム評価
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17K17629
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小山 晶子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (30616397)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高齢者 / MCI / 服薬 / IADL |
Outline of Annual Research Achievements |
17年度は以下の基礎調査を行った。 目的:地域に暮らす軽度認知障害(以下、MCI)および軽度ADの高齢者を中心に、認知機能の段階に応じた高齢者のIADL状況とIADL低下に伴う生活上の困難の実態を明らかにする。IADLのうち、服薬行動に焦点を当てる。 方法:質問紙調査を計画、実施した。研究の対象者は、研究者らが主催した健康講座に参加した地域在住高齢者である。調査用紙は3種類で、質問紙①生活状況、ADL、服薬状況、服薬行動に対する自己評価15項目、服薬支援状況、質問紙②服薬場面を想定した計算問題、質問紙③認知機能テストである。質問紙①と②は、文献をもとに自作し、③は既存の尺度を用いた。 結果:335名より協力が得られ、うち条件に該当した232名を分析対象にした。服薬している者は、163名(70.3%)であった。服薬場面を想定した計算問題と認知機能テストには中程度の相関が認められ、服薬場面を想定した計算ができない者は、認知機能も低下していることがうかがえた。しかし、これらと服薬行動に対する自己評価には、関連は認められなかった。多くの対象者は、服薬場面を想定した計算問題や、認知機能テストの点数に関わらず、服薬行動に対する自己評価が高かった。 18年度は、17年度に実施した基礎調査の分析・検討を行い、論文化と投稿作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
17年度の調査結果より、対象者のセルフリポートでは、服薬に関して困難な状況にあると自ら訴える者は少なかったが、服薬場面を想定した計算問題の回答状況は悪かった。18年度に行ったこの調査の分析を通して、19年度は訪問調査を行い、高齢者の服薬状況を詳細に明らかにすることで、高齢者の服薬に関する生活上の困難が見出されるのではないかとの結論に達した。調査を19年度まで延長するため、やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
訪問調査を行い、高齢者の服薬に関する生活上の困難な点を見出す。調査結果を元に認知機能の段階別に高齢者の服薬状況を評価する指標案を試作する。また、研究成果を関連学会で発表する。
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Causes of Carryover |
18年度はデータ分析に注力し、新たな調査を行わなかったことが理由である。19年度は訪問調査を予定しているため、訪問調査にかかる経費として使用する予定である。
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