2017 Fiscal Year Research-status Report
| Project/Area Number |
17K17818
|
|---|
| Research Institution | Kyushu University |
|---|
Principal Investigator |
小野 容照 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (00705436)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
| Keywords | 植民地 / 朝鮮 / 部活動 / 高等普通学校 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
植民地朝鮮において、学校教育は植民地支配政策の土台であった。朝鮮人に対する教育政策の
既存の研究は授業やカリキュラムなどの正課に集中しているが、本研究は朝鮮の中等学校の放課後の部活動を検討するものである。
朝鮮総督府は中等学校のカリキュラムなどには介入したが、部活動に対する政策は規定してなかったと考えられる。また、部活動には生徒が自発的に参加するという点に着目し、これまで支配される客体として描かれてきた朝鮮人生徒の主体性を軸として朝鮮教育史を再構成することを目指している。
初年度は、主に資料収集、とくに朝鮮の中等学校の『学友会誌』（各部活の部報が掲載されている）を、日本の各種図書館に所蔵されているものを中心に収集した。ただし、韓国での資料収集の時間がとれなかった。
研究としては、朝鮮の中等学校のうち、日本人が多く通った学校の運動部を分析し、日本人部員がどう朝鮮人部員を認識していたのかについて論文を執筆した。これは2018年度に公刊される予定だが、朝鮮人部員については、韓国での資料調査ができなかったため、分析に至っていない。
ただし、朝鮮人が通う中等学校の部活動の顧問の大半は日本人であった。中等学校の部活動に朝鮮総督府はあまり介入しなかっため、顧問や校長の意向が部活動に反映されることが多く、その顧問の日本人教員に関する資料（回顧録、同窓会誌、『校友会誌』、新聞や雑誌の記事）は集まってきている。現在、それらの分析も進めている。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が初年度の2017年の途中で勤務先を移ることになったため、韓国での資料調査の時間が十分に確保できなかった。
|
| Strategy for Future Research Activity |
2018年度は韓国で資料調査をして『校友会誌』を収集する。そして、これまで収集してきた日本に所蔵されている朝鮮の『校友会誌』も用いて、各学校の部活動の傾向や部員数などのデータを収集し、分析する。そして、朝鮮人部員に関する資料紹介を兼ねた論文を発表したいと考えていてる。
|
| Causes of Carryover |
研究代表者の勤務先が年度内に変わったことにより、韓国出張の時間がとれなかったことによる。また、研究に必要な物品の購入の必要も生じ、物品費による支出が増えたこともある。初年度の未使用額の出張費は、次年度にあてる。
|
Research Products
(2 results)
