2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K17818
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小野 容照 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (00705436)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 朝鮮 / 植民地 / 部活動 / ナショナリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
植民地朝鮮において、学校教育は植民地支配政策の土台であった。朝鮮人に対する教育政策の既存の研究は授業やカリキュラムなどの正課に集中しているが、本研究は朝鮮の中等学校の放課後の部活動を検討するものである。朝鮮総督府は中等学校のカリキュラムなどには介入したが、部活動に対する政策は規定してなかったと考えられる。また、部活動には生徒が自発的に参加するという点に着目し、これまで支配される客体として描かれてきた朝鮮人生徒の主体性を軸として朝鮮教育史を再構成することを目指している。 2019年度は、主として朝鮮人が通った中等学校である高等普通学校の『学友会誌』を収集し、部活動の状況を調査する予定であった。しかし、2019年度末に予定していた韓国での調査が不可能となったため、分析することが出来なかった。 韓国出張の事前調査として、韓国でデジタル史料として公開されている『学友会誌』の分析を行った。ただ、これらは朝鮮人の私立学校が大半であり、一部の年度しかそろっていないという限界がある。私立学校の傾向としては、朝鮮在住の日本人が主として通う中学校に比べて、部活動の種類が限られており、部費の配当が少なく、廃部と再建を繰り返している事例が散見される。以上の傾向が朝鮮人学校特有のものなのか、私立学校の特有のものなのかは、公立の高等普通学校のデータとともに検証する必要がある。今後は、今年度の事前調査を踏まえ、公立高等普通学校のデータをあわせて、朝鮮人学校の全体的な傾向を分析していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
3・1独立運動100周年の仕事が続いたため、2019年度の前半は時間がとれず、韓国での調査を2019年度末に行う予定で計画していたが、新型コロナウィルスの影響で不可能となってしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、新型コロナウィルスの状況が落ち着き次第、韓国で資料調査をして『校友会誌』を収集する。そして、これまで収集してきた日本に所蔵されている朝鮮の『校友会誌』も用いて、各学校の部活動の傾向や部員数などのデータを収集し、分析する。そして、朝鮮人部員に関する資料紹介を兼ねた論文を発表したいと考えていてる。
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Causes of Carryover |
韓国出張を計画していたが、不可能になったことによる。また、購入を予定していた書籍集も延期になったものがあり、その購入費用を次年度にまわざるを得なかったこともある。2019年度の未使用額の出張費や物品費は、2020年度にあてる。
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Research Products
(2 results)