2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K17818
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小野 容照 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (00705436)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 朝鮮 / 植民地 / 部活動 / 高等普通学校 / ナショナリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
植民地朝鮮において、学校教育は植民地支配政策の土台であった。朝鮮人に対する教育政策の既存の研究は授業やカリキュラムなどの正課に集中しているが、本研究は朝鮮の中等学校の放課後の部活動を検討するものである。朝鮮総督府は中等学校のカリキュラムなどには介入したが、部活動に対する政策は規定してなかったと考えられる。また、部活動には生徒が自発的に参加するという点に着目し、これまで支配される客体として描かれてきた朝鮮人生徒の主体性を軸として朝鮮教育史を再構成することを目指している。 2020年度は、朝鮮人が通った中等学校である高等普通学校の『学友会誌』を収集し、部活動の状況を調査する予定であった。しかし、新型コロナウィルスの影響で韓国での調査が不可能となったため、分析することが出来なかった。 また、日本国内にも『学友会誌』が一部残されているが、東京の国立国会図書館や各大学の図書館での調査も不可能となった。そのため、韓国でデジタル史料として公開されている『学友会誌』の分析を行うほかは、研究を進めることが出来なかった。その分析結果としては、朝鮮在住の日本人が主として通う中学校に比べて、朝鮮人が通う高等普通学校の部活動は種類が限られており、部費の配当が少なく、廃部と再建を繰り返している事例が散見されるというものだが、韓国でデジタルで公開されている史料だけでは限界がある。そのため、当時の新聞報道なども参照して分析しているが、韓国での調査ができないと、研究の進展は厳しいものがある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響により、本研究において重要な韓国での資料調査が不可能となった。さらに東京での資料収集も厳しくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
韓国での調査は出来ないものと仮定して、新聞史料を活用していくなど、現状で手に入る資料の範囲内で研究を進める方向に切り替えていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響により、旅費を使うことがまったくできなかった。次年度になっても調査旅費を使えるほどに新型コロナの状況が好転するようには到底思えないが、せめて次年度は国内旅費などに経費をあてて研究を進めたいところである。
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Research Products
(3 results)