2018 Fiscal Year Research-status Report
他者からの再評価がネガティブ感情及び精神的健康へ与える影響
| Project/Area Number |
17K17962
|
|---|
| Research Institution | Kagoshima University |
|---|
Principal Investigator |
榊原 良太 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (80778910)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
| Keywords | 感情制御 / 再評価 / ネガティブ感情 / 精神的健康 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
まず、前年度に行った調査の分析ならびに論文の執筆・投稿作業を進めた。特に20代から80代までを対象とした前年度の調査データに対して再分析を行ったところ、時間的展望という点に関して、先行研究とは異なる興味深い知見が得られたことから、論文化した上で国際誌へ投稿した。また、前年度翻訳した尺度作成研究のデータについても、新たに分析を行い、論文化を進めた。ただし、サンプルサイズの問題からか、尺度の因子構造がやや不安定であることから、追加調査の必要性が検討された。
次に、当初の計画通り、画像刺激を用いたネガティブ感情の制御に関する実験を実施した。この実験では、他者からの再評価を検証する上でも重要な視点であると考えられる、方略の「実施時間」に着目した。計42名を対象とした実験を実施し、現在データの分析を進めているところである。なお、分析の途中段階ではあるが、再評価の実施時間は、再評価の効果そのものには影響を及ぼさないという結果が既に得られている。今後は、他の要因も含めた上で、より詳細な分析を試みていく。
これまでに得られた研究結果を踏まえ、最終年度では他者からの再評価そのものを実験および調査によって直接的に検討していく。特に実験においては、方略の実施時間に関する先の研究結果を踏まえ、他者からの再評価においても、実施される時間の影響が確認されないのかについて検証する予定である。調査においては、尺度作成研究の追加調査の結果により、使用する精神的健康にかかわる変数を検討していく。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査研究の論文化および尺度作成データの分析が概ね順調に進んでおり、またサンプルサイズがやや小さいながら、実験も問題なく完了させることができたため。
|
| Strategy for Future Research Activity |
まずは尺度作成研究のデータの論文化および投稿を第一に進める。その後、新たな実験・調査と並行して、方略の実施時間に関する実験データの詳細な分析および論文化を試みていく。
|
| Causes of Carryover |
実験のための補助スタッフが想定よりも少なく済み、その分人件費が抑えられたため。次年度使用額は改めて補助スタッフの人件費に充てる予定である。
|
Research Products
(2 results)
