2017 Fiscal Year Research-status Report
認知神経学に基づく英語読字障害学習リハビリテーション開発
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17K18611
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
杉田 克生 千葉大学, 教育学部, 教授 (40211304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 由美 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (00400979)
松澤 大輔 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (10447302)
飯塚 正明 千葉大学, 教育学部, 教授 (40396669)
大井 恭子 清泉女子大学, 文学部, 教授 (70176816)
小宮山 伴与志 千葉大学, 教育学部, 教授 (70215408)
ホーン ベバリー 千葉大学, 教育学部, 准教授 (80595786)
宮寺 千恵 千葉大学, 教育学部, 准教授 (90436262)
北 洋輔 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的障害研究部, 室長 (90627978)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 発達性読字障害 / 英語読字障害 / 認知リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
読字障害が疑われる児童に対して、読字レベル( A.一文字レベル、B.単語レベル、 C. 文章レベル、 D.読解レベル)、書字レベル(A.書字、B.表記レベル、C.文法レベル、D.作文レベル)に分けて症状レベルを明らかにした。英語読字障害に関しては、ロンドン大学教育研究所で実施されているdyslexia screening testsを参考に日本人向けの英単語読字障害スクリーニングテストを作成中である。この際には、英語での言語環境が異なり、習っている語彙数なども英国児童とは日本児童は明らかに異なっており、日本児童の語学学習到達などを考慮に入れたスクリーニング検査を新たに作成している。これを用いて、千葉大学医学部附属病院に通院中の英語読字障害児に対してスクリーニング検査を実施した。 これに合わせて英単語概念認知の発達を調べる英単語読字反応時間検査を施行し、両者の相関を検討し日本児童の英単語認知発達を明らかにした。上記の何らかのつまずきが見出された読字障害児童に対しては、より客観的な文字認知検査として、日本語での読字障害の合併の有無を検索するため、小学生の読み書きスクリーニング検査 (STRAW) 、聴覚性記憶検査、 音韻意識検査、 音読検査を実施した。 一方認知リハビリテーションの一つとして経頭蓋電気刺激(tDCS)装置を購入し、まずは成人例の読字障害や不安症に対してパイロット的にtDCSを実施したが、特に問題となる症状はでていない。文字読字課題を作成し、その前後でのtDCSを実施するプログラムを作成して成人で試行中である。また読字時での近赤外線での脳機能評価も実施し、局在性の脳血流量の減少を確認した。平成30年3月22日に分担者が集い研究班会議を開催し、本年度の成果について発表ならびに意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度目標とした英語読字障害スクリーニングテストの完成ができていない。経頭蓋電気刺激(tDCS)も成人例でパイロット的に実施できているが、読字障害児用の治療プログラムは実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
英語読字障害児童の簡便な検出法として、日本児童に適したスクリーニング検査法を作成する(北、杉田)。初年度に検出された英語読字障害児童に対して、我々が開発した読字反応時間検査中に脳波検査を実施し、日本語読字障害、英語読字障害児童での脳波活動低下部位を精査する(松澤)。比較のため同年齢の正常コントロールとして、検査ボランティアを募り、 両者での脳内賦活部位の差異を脳波や近赤外線を用いて解明する。同時に、英語読字障害児童に合った個別教育的治療プログラムを開発する(ホーン)。日本語dyslexia個別支援教育に経験を有する宮寺が英語教育の大井らと協議し、効果的な英語読字障害指導実践法を開発する。特に視覚からの情報処理に異常が認められる際には、聴覚を通じた治療法を選択して教育にあたるなど、視覚的ならびに聴覚的ルート双方を補完する教育支援方法を確立する。 一方、病態機序を明らかにするため、発達性読字障害に対する視覚認知や音韻処理過程の異常の有無も合わせて調査する(浅野)。さらに脳波活性低下部位の検出結果を参考に、読字機能を高めるため対象児童にtDCSをパイロット的に実施する(杉田、松澤、小宮山)。tDCSの実施にあたっては、 前年度成人で実施してきた実績を基に、まずは中高生の読字障害児を対象に実施する。特に英語読字障害児童で活性低下が指摘されている左頭頂側頭部を中心に刺激する。効果判定のために、 読字反応時間検査前に2mAのtDCSを25分実施する。合わせて、読字障害の障害部位を迂回させ代償機能を高めるための英語読字支援機器を作製する(飯塚)。特に英語読み上げ機能を完備した日本児童向け医療工学的学習支援機器を、本研究では作製する。読字障害を中心とする学習障害の機能改善を主眼とし、学校現場で実践可能な“学習リハビリテーション”の国内樹立の魁とする。
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Causes of Carryover |
資料整理用の文房具類の購入を想定していたが、当面必要な物は確保できていたため、次年度足りなくなった時点で購入する予定としている。
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Research Products
(6 results)