2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Prospective Study of the Education for the Foreign Students -an Analysis of the New Southbound Policy in Taiwan-
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17K18616
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
志賀 幹郎 電気通信大学, 国際教育センター, 准教授 (70272747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
所澤 潤 東京未来大学, こども心理学部, 教授 (00235722)
小川 早百合 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (20276653)
林 初梅 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 准教授 (20609573)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 外国人児童生徒教育 / 台湾 / 移民政策 / 比較教育学 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度にあたる本年度、報告書『「新南向政策」を考察する-「南」を友に民主の途を-』を刊行した。(2019.9.20) 台湾から、研究協力者(翁麗芳、洪福財(以上国立台北教育大学)、葉郁菁(国立嘉義大学)、張正、廖雲章(以上ジャーナリスト))を招聘し、都内で研究会を開催した。(2019.12.13,2020.2.6-7) 前年度までに、教育支援や政策提言を行う民間非営利組織の重要性に注目していたが、本年度はそこに研究の焦点を絞った。そして、現在台湾で最も活動的で政策に影響力を持つ張正、廖雲章の全面的な協力を得て、二人の活動の実態と精神の淵源について明らかにすることができた。 活動に即しては、「移民文学賞の創設」「移民の故郷への訪問プログラム」に着目し、それぞれ移住労働者の自己表出の機会を拡充するもの、移民の人生の軌跡を見ることを台湾社会に促すものと論じた。そして、こうした取り組みは、一面では中国と対峙する民進党蔡英文政権の種々の取り組みに連動するものと捉えられ、一面では台湾社会に根付いてきた独自の民主的な国際感覚の土壌を示すものと捉えらるのではないかと視点を提示した。精神の淵源については、二人を導いた成露茜とその父親の成舎我を重要と見て、民主主義の系譜に連なるものとして位置づけた。 経済関係強化だけではなく人権や多元文化による東南アジア諸国等との関係強化という観点から「新南向政策」を論じる意義を研究協力者と共有することができた。今後東南アジア各国からの労働力移入が進むと言われる日本における、教育支援や政策提言のあり方に示唆するところがあると考える。
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Research Products
(6 results)