2018 Fiscal Year Research-status Report
5年目教員に対するフォローアップ調査を通じた、教員人事異動の機能性に関する研究
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17K18637
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
川上 泰彦 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (70436450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妹尾 渉 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (00406589)
波多江 俊介 熊本学園大学, 商学部, 講師 (70733715)
當山 清実 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (20760804)
網谷 綾香 大阪成蹊短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (90404110)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 教育学 / 教員の職能形成 / 初任期教員 / メンタルヘルス / 教員人事 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、当初の計画通り、2県において5年経験教員に対する追跡調査を実施することができた(対象200名程度)。1県では初任期3年間(1~3年目)と6年目を紐付けできるデータの収集が、もう1県では初任時(1年目)と6年目を紐付けできるデータの収集が進んでいる。データの紐付け作業に若干の時間を要したが、分析可能な形にデータを整理することもできた。 これまで収集したデータの分析については、研究会を企画・実施した。分析結果に関する意見交換を行い、パネルデータの分析結果を地域間・時点間で比較するための方法について研究グループ内での理解を深めた。また知見のまとまった部分については、成果を学会での口頭発表として公表した。 また、調査対象となる自治体関係者に対して、分析結果のフィードバックをする機会も得られた。初任者研修を実施している県教育委員会の部局に対して、これまでの成果を伝える機会が得られたほか、県内の校長を対象とする人事評価研修において、初任期教員の適応や力量形成、評価上の注意点などを伝えることができた。フィードバックの作成過程では、教育行政向け・学校管理職向けにそれぞれフィードバックを行ううえで、どういった工夫が必要かなどについて、グループ内で意見交換が行えたため、この点の共通理解を深めることにもつながった。なお、個々の教員向けのフィードバックをどうするか、成果報告的なフォーマット以外での方法(たとえば研修等)についても検討を行い、一部については試行ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画に記載したとおりのスケジュールで、量的調査が進行している。本研究の最大の特徴は、継続的・追跡的なデータ収集と、その分析であるため、安定してデータ収集が進められたという点は、まずもって計画を「おおむね順調」と評価する根拠となる。ただし、初任(期)調査とは違い、対象者在籍校に調査票を郵送する方法を取っているため、当初想定よりも調査票の回収率が下回った。 研究会の定期的な開催も実現し、蓄積・整理したデータの分析結果を共有することができたほか、今後のフィードバックにおいても、どの知見を重点とするのかについて意見交換を進めることもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
初任期から6年目にかけての縦断的なデータが蓄積されつつあるため、量的な分析を行い、成果を論文にまとめ、公表する。教員の配置や研修を担当する部署(教育センター等)に対しては、この成果を説明するとともに、管理職やミドルリーダーなどに向けた研修という形でもフィードバックができないか、引き続き方法の検討と試行を継続する。 また、新たな形での調査の実施についても意見交換を進めており、コーホート間での比較や、初任者の研修施策に関連付けた比較研究などについて、今後の構想を進める予定である。
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Causes of Carryover |
平成30年度実施の調査データについて、整理と分析が年度末近い時期に完成したため、成果の報告や新年度における調査継続に向けた打ち合わせを一部延期し、新年度になってから進めることとした。次年度使用額については、そのまま調査協力自治体への説明・フィードバックにかかる旅費として使用する。
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Research Products
(11 results)