2017 Fiscal Year Research-status Report
教師のアクティブ・ラーニングによる、特別支援教育の専門性向上研修プログラムの開発
Project/Area Number |
17K18655
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
日野 久美子 佐賀大学, 学校教育学研究科, 教授 (10791527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
納富 恵子 福岡教育大学, 大学院教育学研究科, 教授 (60228301)
中山 健 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (40301329)
井邑 智哉 (井邑智哉) 佐賀大学, 学校教育学研究科, 講師 (80713479)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 特別支援教育 / 特別支援学級 / 通級指導教室 / 特別支援教育の専門性 / 教員研修プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
少子化の中、小・中学校の特別支援学級・通級指導教室に通う子どもは増え続け、それを担当する教員(特別支援教育担当教員)も増加している。本研究では、この特別支援教育担当教員の特別支援教育に関する専門性を向上させるため、小・中学校での特別支援教育の現状及び課題の分析と共に、特別支援教育担当教員の専門性についてのレベルを明らかにし、それに応じた研修プログラムの開発を行う。 平成29年度は、まず、特別支援教育担当教員の資質・能力に関する項目を収集し、特別支援教育に関する専門性を分類することを目的に、教員を対象とした自由記述アンケート及び専門家へのインタビューによるカテゴリー分類を行った。その結果9つのカテゴリー( 1)特別支援教育に関する理念や法律などについての知識・理解、2)障害全般に関する知識・理解、3)障害全般あるいは特性に応じた指導・支援などに関する知識・理解、4)個に応じた指導・支援をするために、その子どもの実態を把握すること、5)個に応じた指導・支援をするために、目標や内容・方法を選択し計画・準備をすること、6)個に応じた指導・支援をするための実践力・対応力・教材活用力、7)子どもとのコミュニケーション・信頼関係づくり、8)教員としての人間性や子どもに向き合う姿勢、9)支援者間の関係作りと校内外の連携・コーディネート)に分類された。また、特別支援教育に関する専門性について、そのレベルを測定する尺度を作成するためのアンケート項目を整理した。 次に、特別支援教育に関する研修についてその内容と現状を把握することを目的に、特別支援教育に関する研修企画者を対象として、上記の9つのカテゴリー分類について、その専門性のレベルに応じた研修内容とその実施状況に関するアンケートを行った。これらの結果について研究者で検討を行い、研修プログラムの構成・立案及び実施につなげていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究への実質的な取り組み開始が平成29年度の7月(内定時期)以降と遅れたが、それ以前から教員研修に関する文献研究等に取り組んでおり、特別支援教育の専門性に関する2つの調査を実施・分析することができた。これらを元に、今後の研修プログラムの開発・実施への展望が開けた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に作成された、特別支援教育の専門性に関するアンケートを佐賀県・福岡県の小・中学校の特別支援教育担当教員に大規模に実施し、その資質・能力の現状を把握する。合わせて、そこから得られた特別支援教育の専門性のレベルに応じた内容を、効率的な研修プログラムの方法で構成し立案する。この計画に従って、研究者の近隣地域の特別支援教育担当教員を中心に、研修を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度は、特別支援教育の専門性を探るための調査研究が主となったため、研修プログラムを実施するためのICT関連器具の購入は、平成30年度に回すこととなった。平成30年度は、研修プログラム策定の過程及びその実施に合わせ、これらの機器も含めて購入予定である。
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Research Products
(4 results)