2018 Fiscal Year Research-status Report
Construction of learning support system using transformative goal model for proactive problem-solving skill development
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17K18665
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
加藤 浩 放送大学, 教養学部, 教授 (80332146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 容介 放送大学, 教養学部, 准教授 (00435702)
鈴木 栄幸 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (20323199)
舟生 日出男 創価大学, 教育学部, 教授 (20344830)
久保田 善彦 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (90432103)
望月 俊男 専修大学, ネットワーク情報学部, 准教授 (50379468)
近藤 伸彦 首都大学東京, 大学教育センター, 准教授 (10534612)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 教育工学 / 情報教育 / プログラミング教育 / ラーニングアナリティクス / 学習支援システム / 変容的学習 / 真正の学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
Scratchコミュニティ上の約250名が作成した約1000本のプログラムを収集・分析した結果、7割程度の子供が数本のプログラムを作成しただけでプログラミング活動を中断することが明らかになった。さらに詳しく調べたところ、その多くが開始直後につまずいていること、および、開始直後は多くの子供が独自のプログラムを作るのではなく、お手本のプログラムをもとに作成・改良することが分かってきた。このため、個々の特性に対応したプログラミング学習を行う前に,この時期のドロップアウトの特性を明らかにして、適切な指導を行うことが必要であると判断した。 また、高校の授業として自由なプログラミングを行う場合の初期学習の状態について調査したところ、多くの生徒はプログラミングを楽しいと感じているが、2割程度は面白くないと感じているという二極化した印象を持っていることが判明した。さらに、プログラミング自体が分からないというよりも、何を作っていいかが分からないという生徒が多いことも明らかになった。よって、初期の支援では、子供に対して、作りたいと思わせるようなプログラムを示唆することが重要であると判断し、まず初心者に対して提示する教材の開発と充実を図った。 システムも、子供が作成したプログラムを分析することに加えて、開始直後には、あまりプログラムを作成する本数が多くないため、どのようなプログラムをお手本にしているか、どのようなプログラミング活動をしているかなどの、子供の学習活動を指導者が記録する機能を加えたものを開発した。 なお、本研究で使用しているプログラミング環境であるScratchの大幅なパーションアップが2019年1月に行われ、ver.3となり、プログラムの分析対象である、内部構造も大幅に変更になったため、プログラミング分析機能についても変更する必要が生じており、その改修に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述したように、Scratchコミュニティ上の大量のプログラムの分析と高校の授業分析により、自由なプログラミング学習における大きな問題が初期段階にあり、その時に適切な手本のプログラムを子供が選択・利用したり、初めてプログラムを作る子供に対応して、どのようなプログラムを作ってくかを適切に指導する必要があることが明らかになった。このためプログラミング学習における漸進的目標形成モデルの構築についても、この初期状態で子供がどのような興味や作成する能力があるかなどをもとにしたモデルを作ることが有効であることが明らかになった。 これに対応するために、システムもプログラムの分析だけでなく学習状態の記録も指導者が行うe-ポートフォリオタイプに改修を進めている。 また、指導者が子供に提示する各種教材の開発を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
指導者による学習状態の記録機能とScratch3.0対応のシステムにおいて、プログラミング学習を始めた子供の学習活動の状況を学習履歴として収集を行い、個々の子供の特性と継続する学習の関係を明らかにしていく。それと同時に、その特性や学習の状況において適切な手本のプログラム提示方法やファシリテーション方法などをシステムが指導者に提案できるようにしていく。
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Causes of Carryover |
出席を予定していた国際会議が不採録だったため2名分の海外出張旅費が使われなかった。 プログラミングを教える教室に対して企業から中古パソコンの寄付があったため、購入予定のパソコンが不要になった。 今年度は国際会議が採録されたので、海外出張旅費を支出する。また、プログラミング受講者が増えたため不足分のパソコンを購入する。
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Research Products
(22 results)