2018 Fiscal Year Annual Research Report
Is perception contagious?: A psychophysics study
Project/Area Number |
17K18692
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 真介 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (90525578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 和久 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部, 主幹研究員(任常) (20505979)
鈴木 敦命 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (80547498)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 他者視点取得 / 視覚 / 心理物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は「ヒトが他者の視知覚を推測する際には自分自身の視知覚を用いる」という仮説を、心理物理実験と機能的磁気共鳴・脳イメージング(functional MRI)、最先端のデータ科学手法(脳情報デコーディング)を組み合わせて検証することである。 プロジェクトでは、より具体的な仮説として「ヒトが他者の視知覚を推測する際には、自分自身の“(脳内)初期視覚システム”を使う」を打ち立てて、心理物理実験で検証した。検証には運動残効と呼ばれる現象を利用した。運動残効は「一定方向に動く視覚刺激を見た後に静止した刺激を見ると、最初に見た刺激とは逆の方向に動いて見える」という現象のことであり、脳の初期視覚システムで頑健に起こることが広く知られている。 視点転換課題(Visual Perspective Taking task)とランダム・ドット・モーション課題(Random Dots Motion task)を組み合わせた心理実験の結果、以下のことを明らかにした。まず、「ランダム・ドット・モーション課題において自分自身が運動刺激を見た後には、自分の見た運動刺激とは逆方向の運動残効が起こる」ことを確認した。これは先行研究の追試に相当し、実験課題の妥当性を担保するものである。次に、「他者が見ている運動刺激を推測する視点取得課題において、他者の見た運動刺激とは逆の方向に運動残効が起こる」ことを発見した。この結果は、「運動残効は脳の初期視覚システムで起こる」という先行研究の知見と併せて、「ヒトが他者の視知覚を推測する際には、自分自身の“(脳内)初期視覚システム”を使う」ことを示唆するものである。
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Research Products
(11 results)