2017 Fiscal Year Research-status Report
Challenge to create a new type of composite materials : frozen emulsion
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17K18969
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
Komarov Sergey 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (20252257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 昇 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (70166924)
山本 卓也 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (10804172)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | エマルジョン / 複合材料 / 超音波 / 凝固 / リサイクル性 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の研究は、水モデルと数値解析を利用し、短期間かつ効率的に「フローズンエマルジョン」複合材料を作製するための装置要素の設計及び処理条件の最適化を行い、その結果を以下に概説する。 1.液体エマルジョン化を促進させるキャビテーションと音響流を制御するために、超音波ホーンの開発を行った。その際、ホーン先端が平坦型、台形型、円推型の形状を持つホーンを設計・作製し、超音波発生装置に取り付け、水中に超音波を照射し粒子画像流速測定法 (PIV)により音響流を調査した。KI水溶液を用い、Weissler法によるキャビテーション強度を調べた。平坦先端のホーンを用いた場合、混合液に対する音響流(=撹拌力)が最も強く、キャビテーション強度も高いため、平坦先端のホーンがエマルジョン処理に有効であることが明らかになった。 2.透明容器に入れた水にパラフィン(a)、ヒマシ油(b)、シリコーンオイル(c)、ガリウム(d)を添加し、それぞれの水エマルジョン特性に対する液体物性、超音波照射時間と振動振幅の影響を明確にした。実験では平坦先端のホーンによりエマルジョン化された液体からサンプルを採取し、エマルジョン径分布を0.6~18umの範囲内で測定した。振動振幅が24um(本実験での下限値)、照射時間が10秒という条件では(a)~(c)の液体系において容易に安定なエマルジョンを得られ、ガリウムの場合にも振動振幅と照射時間を大きくするとエマルジョン化できることが分かった。エマルジョン径は液体の粘性と界面張力が大きい方が増加する傾向にある。また、液体を撹拌しない場合でも、音響流の効果だけでエマルジョン処理が可能であることが明らかになった。 3.エマルジョン作製時に発生する音響流の数値モデルを開発した。この音響流は複雑な現象が絡み合うが、代表的な現象のみを取り出して数値解析することでPIV実験結果を表現することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述の測定を行うにあたって、以下の課題が見出された。① エマルジョン粒径分布中に0.6um以下の粒子も存在するが、それは現有装置(Multisizer3、ベックマン・コールター社製)の測定範囲下限より低い範囲であるため0.6um以下の粒径測定は不可能である。一つの解決策としては、その測定範囲に対応できる装置をレンタルすることを検討している。② エマルジョンの混濁率が大きすぎるため現有の分光光度計ではエマルジョンの安定性の測定が困難である。そのため、赤外線レーザーとフォトダイオードを購入し、エマルジョンの分離速度・安定性を測定できる装置を自作することを予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、上述問題を解決し、上記の水モデル実験においてエマルジョン中のナノサイズ粒子の分布とエマルジョンの分離速度の測定を行い、エマルジョン化について基礎データの収集を完了する。同時に、金属基フローズンエマルジョン複合材料の製造プロセスの有効性を検証するために、高温実験装置を作製し、以下の通り実験を行う。複合材料の原料を配合し、坩堝内に高周波誘導炉または電気炉により溶かした後、セラミックス超音波ホーンにより融体中に強力な超音波を照射し、音響流により融体を撹拌させながらエマルジョンを形成する。次に、エマルジョン化された融体を鋳型に鋳込み、複合材料のサンプルを試作する。本実験では、複合材料の母相材としてAlとZnまたは適切な合金を、分散相材として金属(Bi,In,Pb)または低融点酸化物(B2O3またはB2O3-PbO-SiO2系ガラス)を使用する。2液間界面張力を調整するために、適切な界面活性剤を添加し、その効果を実験的に調査する。超音波照射強度と時間、分散相含有率などの実験条件は上記のモデル実験の結果を考慮して設定する。高温実験で得られたサンプルを用い、SEM観察・分析、X線回析を行い、複合材料のミクロ組織と相組成、分散相粒子の大きさ、形状、含有率などについて調査を行う。このデータに基づいて、試作条件のさらなる最適化を行う。 また、シミュレーションではエマルジョンの作製過程までを表現するモデルを作る必要性がある。上述のモデルでは代表的な現象のみしか取り扱わなかったが、より細かい現象までを導入し、エマルジョン生成過程までを明らかにする。
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Research Products
(3 results)