2019 Fiscal Year Annual Research Report
Challenge to create a new type of composite materials : frozen emulsion
Project/Area Number |
17K18969
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
Komarov Sergey 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (20252257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 昇 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (70166924) [Withdrawn]
山本 卓也 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (10804172)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | フローズン・エマルジョン / 超音波 / 電磁力攪拌 / 新規複合材 / ミクロ組織 / 機械的特性 / Al-Bi系軸受材 / エマルジョン形成機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「フローズン・エマルジョン複合材」(FEC : Frozen Emulsion Composite)と呼ばれる新しいタイプの金属基複合材とその製造プロセスを提案し、その実現に向けた挑戦的な研究を進めてきた。主な研究業績を以下にまとめる。 初年度は超音波エマルジョン化処理に必要な高振幅ホーンの開発・試作を行い、グリセリン-溶融ガリウムと水-溶融ガリウムの2液系を利用した基礎実験によりグリセリン・水中ガリウムエマルジョンの特性に対する振動振幅や処理時間などの諸要因の影響を明確にした。また、超高速ビデオカメラを適用し、超音波照射による水中ガリウム滴生成の直接観察を行い、エマルジョン形成機構に関する理解を深めた。そのデータに基づき、音響キャビテーション気泡とエマルジョン滴との相互作用をモデル化して、数値シミュレーションによりエマルジョン形成過程を解析した。 次年度に、まず、高温実験を行い、金属系FECとしてAl-Bi合金、金属・非金属系FECとしてAl・B2O3とAl・NaClの試料を作成するとともに、超音波エマルジョン化処理の有効性を実証した。また、Al-Bi系FECをすべり軸受材として採用することを検討して、ミクロ組織、機械的特性と耐摩耗性の評価を行い、既存Al-Sn軸受合金の特性と比較した。また、超音波照射と電磁力撹拌を併用した研究も進めて、超音波照射のみに比べて優れた微細、かつ均一な組織を有するAl-Bi系FECの製造プロセスの構築に貢献した。金属・非金属系FECについても強力な超音波によってエマルジョン化が可能であることを示した。しかし、金属系FECと比べて副反応や組織不均一性などの問題が多く残っており、今後研究の課題として検討すべきである。
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