2018 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of neural function for establishing a complex social in mouse
Project/Area Number |
17K19408
|
Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
菊水 健史 麻布大学, 獣医学部, 教授 (90302596)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂木 一孝 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (50347308)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
|
Keywords | マウス / 半野生化 / 自動解析 / オキシトシン / 幼少期環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
動物における社会(群れ)とは、2個体間の関係にとどまらず、複数の個体が複雑な関係性を構築し、一定の範囲内で共存するものをいう。この過程で個々が群れの中での役割を獲得し、群れが一つの集合体として機能するようになる。すなわち社会集団において、個体は各々の個体間のやり取りを基にした個体間関係性を群れ全体に発展させ、集団における役割を獲得するプロセスを有することが示された。このような複数個体が共存する環境下において適切な行動を発現するための中枢機能の研究は、複雑な社会性を司るメカニズムの解明にとどまらず、社会構造を成り立たせることの進化的意義の分子レベルでの理解や、社会性に障害を有する疾患の原因究明や治療法確立につながる、価値の高い研究である。本課題では、新たに開発したマルチマウス自動追尾解析システムを利用し、半野生化におけるマウスの社会構造に関わる神経機構を明らかにした。①幼少期母子分離モデルマウス:成長後に不安行動が上昇し攻撃性が高まることを明らかにした。社会性に関わる前頭葉のBDNF神経系に異常を有する。また幼少期に無菌化にて生育したマウスでは、個体間距離が延長し、社会的親和性の低下を見出した。②スクラップビルドマウスモデル:オキシトシン神経系特異的に人工ムスカリン受容体(DREADD:Designer Receptors Exclusively Activated by Designer Drug)を誘導したマウスで、飲料水にリガンドであるCNO (Clozapine-N-Oxide)を溶解投与することで、一度形成された群れのうち、選択した複数の個体のオキシトシン神経系を抑制化(hM4Di)を強制発現させた。その結果CNO投与時に群れのHuddling行動が崩壊し、個体が個別に睡眠をとるという結果が得られた。
|
Research Products
(26 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 社会の起源2019
Author(s)
菊水 健史、市川 眞澄
Total Pages
162
Publisher
共立出版
ISBN
4320057961
-