2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K19446
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
深澤 有吾 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (60343745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 達也 福井大学, 学術研究院医学系部門, 特命助教 (00750209)
加藤 輝 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター), 新分野創成センター, 特任助教 (30391915)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | FIB-SEM / 超微形態 / 電子顕微鏡 / シナプス |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの脳は、800億個を超える神経細胞で構成され、それぞれの神経細胞はシナプス結合とよばれる接着構造を介して、特定の相手に結合することで回路を形成している。シナプス結合は、1ミクロンにも満たない微小な構造であり、電子顕微鏡を用いて初めてその詳細が観察可能である。 応募者は、脳内シナプスの伝達調節の分子機構を解明する目的で多種類のシナプス構造の微細形態と各種機能分子の発現分布について研究を行い、微細構造-機能分子分布-機能が深く関連していることを明らかにしてきた。これらの解析を通じて、シナプス構造の各種微細構造には、シナプスにおける伝達特性を反映する特徴が存在し、この特徴はシナプスの種類毎に固有であることを発見し、脳内の各シナプス結合種の固有の微細構造情報と分子局在情報を元に、観察された個々のシナプスの種類を同定し、機能を推定できる可能に気付いた。そこで本申請研究課題では、新規シナプス同定法の有効性の確認と基盤形成を目的に以下の実験を実施している。 1)シナプス結合の微細構造相関から、結合種を同定する技術の確立 29年度内に海馬、大脳基底核、小脳皮質に分布する興奮性シナプス結合種6種の3次元微細構造解析を行い、構造特徴の抽出を行った。 2)微細構造情報と分子発現情報を融合して、構造情報と機能を対応させる知識基盤の構築 AMPA型グルタミン酸受容体抗体を作製し、上記シナプスにおける受容体発現密度の解析を開始した。 3)複雑な回路構造を持つ脳領域で選択的に特定のシナプス結合種を構造解析する技術の確立 ウィルスにより特定の神経細胞にGFPを発現させ、免疫電子顕微鏡手法により感染神経細胞を走査型電子顕微鏡下に観察する実験手法を確立した。 4)海馬内外のシナプス結合の微細構造情報の網羅的収集とデータベース構築 実験3)の手法を用いて、多数のシナプス結合を含む大脳皮質領域の解析を近々に開始予定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
29年度中に計画した4実験のうち、3つの実験についてほぼ完了した。未着手の実験計画を残り1年で、完了できると予想しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
実験計画3)により確立したウィルスによるマーカー遺伝子導入と走査型電子顕微鏡によりマーカー分子の免疫反応を可視化する技術を、脳内各領域のシナプスを結合種特異的に構造解析する実験を進め、実験計画4)である「海馬内外のシナプス結合の微細構造情報の網羅的収集とデータベース構築」の実験を実施する。
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Causes of Carryover |
本研究の遂行には、名古屋大学医学部所有のFIB-SEM装置の使用が必要であるが、平成29年度11月から本装置の不具合が発生し、撮影が滞ったため、平成29年度分の装置使用料が減少した。 本装置の修理は平成30年3月末に完了し撮影が可能となったので、H29年度に撮影できなかった試料と平成30年度に観察予定の試料の両方を平成30年度内に観察することとし、次年度使用額分をこの増加した装置使用料に当てる計画である。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Optogenetic activation of non-nociceptive Aβ fibers induces neuropathic pain-like sensory and emotional behaviors after nerve injury in rats2018
Author(s)
Ryoichi Tashima, Keisuke Koga, Misuzu Sekine, Kensho Kanehisa, Yuta Kohro, Keiko Tominaga, Katsuyuki Matsushita, Hidetoshi Tozaki-Saitoh, Yugo Fukazawa, Kazuhide Inoue, Hiromu Yawo, Hidemasa Furue, and Makoto Tsuda
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Journal Title
eNeuro
Volume: 5
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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