2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel gene detection method using artificial nucleic acid capable of recognizing damaged bases
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17K19494
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷口 陽祐 九州大学, 薬学研究院, 准教授 (00452714)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 酸化損傷塩基 / 人工核酸 / DNA合成酵素 / 槽副反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
ストレスや活性酸素種(ROS)によりDNA中に発生する酸化損傷塩基(8オキソグアノシン(8-oxodG))の量は、ガン、加齢やアルツハイマー病などの神経変性疾患との関連性が示唆され、優れたバイオマーカーとして知られている。既存の機器分析学的・免疫学的検出の技術では、8-oxodGの存在量や分布の確認をすることは可能であるが、1分子リアルタイムDNAシークエンサー技術ですらDNA中の8-oxodGの発生位置を配列選択的に特定したという報告はなされていない。そこで本研究では、申請者がこれまでに8-oxodG認識可能な人工核酸トリリン酸体を独自に合成し、酵素により8-oxodG鋳型鎖に対し伸長鎖への人工核酸の取り込みを実現している内容をさらに発展させて、認識機能の特異性を高め、世界初の損傷塩基発生位置特定法への展開を目的としている。 本年度は、人工核酸と酵素の親和性に着目した分子設計を行い、2種類の人工核酸を創製して、様々な酵素との相互作用を確認した。さらに、伸長鎖(プライマー鎖)の長さの調節や、増幅温度を詳細に検討を行った。その結果、これまでPCR様の増幅反応でしか鎖を増幅することができなかったが、今回初めてただ単に基質と混ぜるだけで増幅反応が進行することを新たに発見した。増幅メカニズムは明らかにできていないが、これまでに報告の無い現象であり、画期的な現象を見いだした。また、予備的な結果ではあるが、多くの未反応体(グアノシン)の中に少量含まれる酸化損傷体(8オキソグアノシン)の増幅にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、予備的な結果ではあるが、目的の酸化損傷塩基を含む配列のみを増幅することに成功したため、研究の全体としてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、さらなる誘導体の合成およびそれらの酵素反応のへの適用をすすめていく。さらには、これまでに見いだした僧服反応を利用した、実際のサンプルでの検証や配列読み取り技術への展開を進めて行く予定である。
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Causes of Carryover |
研究の開始時期が後期であったことと、予想していたよりも多くの消耗品を使用する前に目的の増幅反応の結果を得ることに成功したため。全体としての研究が順調に進んでいるため、翌年度も多くの消耗品(酵素やプライマー鎖など)も計画的に購入可能し、さらなる研究の発展が期待される。
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Research Products
(6 results)