2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on innate immune cells function of mice born from mice receiving virus infection during pregnancy
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17K19559
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
河合 太郎 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (50456935)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 自然免疫 / 樹状細胞 / マクロファージ / 免疫寛容 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
マクロファージや樹状細胞において、グラム陰性細菌の細胞壁成分LPSの繰り返し刺激に対して炎症応答が抑制される免疫寛容(LPS寛容)が誘導されることが知られている。我々はこれまでToll-like receptor 3 (TLR3)のリガンドPoly ICを腹腔内投与された妊娠マウスより生まれた仔マウスにおける樹状細胞ではLPS刺激後の炎症性サイトカインが低下していることを見出し、この寛容の成立機構に着目して解析を行ってきた。我々は酸性オルガネラのpH維持に重要な役割を果たす液胞膜H+-ATPase(V型ATPase)のサブユニットの一つATP6V0D2を欠損させたマクロファージ細胞株を樹立し、この細胞ではLPS刺激に対する炎症性サイトカイン産生量が増強しており、興味深いことにLPSの繰り返し刺激に対して野生型細胞では炎症性サイトカインの産生がないものの欠損細胞では産生されることを見出した。さらに、LPS刺激に伴うLPS受容体TLR4の細胞表面からの内在化が欠損細胞では障害されていたことから、これがLPS繰り返し刺激時での不応答性が回避される原因の一つであると考えられた。このように酸性オルガネラのpH維持がLPS寛容に重要な役割を果たすことが示唆された。一方、LPS寛容成立の別機構として、エピジェネティック制御の関与も考えれる為、ヒストン修飾関連分子に着目しそれぞれの欠損マクロファージ細胞の樹立を試みた。その結果、脱メチル化関連酵素TET1を欠損した細胞において、LPS刺激後のIL-6発現が有意に上昇していたことから、この分子がLPS寛容に関連していることが示唆された。現在、TLR4の細胞局在やTET1の発現についてPoly IC投与されたマウスの仔マウスのマクロファージや樹状細胞を用いて詳しい解析を行っている。
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Research Products
(19 results)