2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new concept viral vectors exerting both vaccine and adjuvant activities
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17K19560
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
入江 崇 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (70419498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 剛正 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (70196070)
宮沢 孝幸 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 准教授 (80282705)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | ウイルスベクター / ワクチン / アジュバント / センダイウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
ワクチンは感染症対策の要であるが、未だ有効なワクチンが存在しない感染症も数多く残されており、効果が十分でなく改善が求められているものも多い。また、現在パンデミックを引き起こしている新型コロナウイルス感染症など、新規感染症の突然の発生に対する迅速なワクチン開発も求められている。 本研究では、申請者らが世界で始めて単離に成功した強力な自然免疫誘導物質(コピーバック型欠損干渉ウイルスゲノム)を恒常的に発現するセンダイウイルスクローン(SeV-cCdi)のワクチン賦活化剤(アジュバント)としての利用を試みた。 市販のインフルエンザワクチンを経鼻投与によりマウスを免疫し、致死量(15MLD50)のA型インフルエンザウイルスの攻撃感染により、ワクチン効果を検証した。ワクチン非投与マウスでは全数が死亡し、ワクチン単独投与では1/3程度が生残した。ワクチンにアジュバント効果が知られている合成核酸であるpoly(I:C)を添加して投与した場合には、免疫効果の上昇がみられ2/3程度のマウスが生残したが、一方ワクチンに上記ウイルスを添加した場合にはさらに効果が上昇し、80%のマウスが生残した。また、血液及び肺洗浄液サンプルを採取し、インフルエンザウイルスHA蛋白質に対するIgG及びIgA抗体価を測定したところ、上記ウイルスを添加した場合にのみ、肺洗浄液中のIgA抗体価の顕著な上昇がみられ、粘膜免疫の誘導が確認された。 センダイウイルスはヒトを含む殆どの動物に病原性がない安全なウイルスであり、細胞宿主域も広いことから、上記技術は今回行った実験以外の様々なワクチンにも適用可能であると考えられ、現在新型コロナウイルス感染症に対するワクチン開発を検討中である。また、センダイウイルスは安全なウイルスベクターとして広く利用されており、上記ウイルスクローンを基にしたウイルスベクターワクチンの開発を進めている。
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Research Products
(16 results)