Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では先行研究とは異なり、卵巣がんの発生・進展の舞台である腹腔内において、腹水・腹膜の微量金属元素の網羅的に測定及び解析し、卵巣がんの発生・進展や薬剤耐性との関連性を、生体を構成する元素、とくに微量金属元素の機能と役割を体系的に解明するメタロミクスという新しい視点から、解析しようとする極めて挑戦的かつ萌芽的な試みである。本研究遂行には、高感度な多元素分析を高いサンプルスループットで実現する金属元素分析装置であるICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析計)が必要である。当科では、名古屋大学環境労働衛生学教室の協力を得て、マウス子宮の灰化方法、ICP-MSでの微量金属元素測定につき検討を行い、それを応用した生体内に存在する腹水を 微量の金属を含むことなく採取する方法、さらにICP-MSで解析可能な状態にする方法、再現性のある解析方法を樹立することに施行した(特許申請準備中)。我々の樹立した方法でICP-MSで腹膜播種著明症例と、子宮内膜症症例、非子宮内膜症性症例で、微量金属症例Ag, Al, As, Au, B, Ba, Bi, Ca, Cd, Ce, Co, Cr, Cs, Cu, Dy, Er, Eu, Fe, Ga, Gd, Ge, Hf, Hg, Ho, I, Ir, K, La, Li, Lu, Mg, Mn, Mo, Na, Ni, Nd, P, Pb, Pd, Pr, Pt, Rb, Rh, Ru, Sb, Sc, Se, Si, Sn, Sm, Sr, Tb, Te, Ti, Tl, Tm, U, V, W, Y, Yb, Zn, Zrを測定し、表のようなHgが異常高値であることが判明した。
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