2018 Fiscal Year Annual Research Report
Systematic analysis of a function and the role of the very small amount of metallic elements in the ovarian cancer patients
Project/Area Number |
17K19588
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
吉田 好雄 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (60220688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沼 利通 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (70620483)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | メタロミクス / 誘導結合プラズマ分析装置(ICP-MS) / 水銀 |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣癌, 子宮内膜症性嚢胞、非子宮内膜症性卵巣腫瘍の腹水を手術中に採取した。最初に腹水の湿式分解法について検討を行った。その結果、腹水に濃硝酸を添加し、その後メスアップし、フィルターで濾過を行った後に測定する方法が適切であることが判明した。内部標準としてはベリリウム、インジウム、イリジウムを使用した。誘導結合プラズマ分析装置(ICP-MS)Agilent 7500で網羅的に解析した。その結果、①卵巣癌患者では子宮内膜症性嚢胞と比較して、有意に腹水中の水銀が高値であった。また、②子宮内膜症性嚢胞は、非子宮内膜症卵巣腫瘍と比較して、腹水中の鉛が有意に高値であった。①の水銀については、ICP-MSのみではなく、専用の水銀測定装置を用いての検討を予定している。また、水銀はVEGFの発現を増強するとの報告があるため、今後は細胞レベルでの実験も検討している。②について、子宮内膜症性嚢胞組織と正常の卵巣組織を比較しても、内膜症組織では鉛が高値であった。鉛は細胞内の鉄イオンを増加させるとの報告があり、実際に内膜症組織内は鉄が増加している。このため細胞レベルで、鉛が細胞内の鉄の動態にどのような影響を与えているかを検討している。現在の我々の検討では、子宮内膜症上皮細胞と類似したIshikawa細胞において、鉛は高濃度であっても、他の報告されている細胞と比較してviabilityは保たれることが判明している。
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Research Products
(21 results)