2018 Fiscal Year Annual Research Report
Energy dynamics defining organ plasticity
Project/Area Number |
17K19677
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柳田 素子 京都大学, 医学研究科, 教授 (70378769)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
障害によって低下した臓器機能は、回復する場合と、回復せず障害が遷延する場合があります。腎臓の機能が急激に低下する急性腎障害(Acute Kidney Injury: AKI)においても、回復することも、回復しないこともありますが、何がその差を決定するかは不明でした。本研究課題では、腎臓をモデル臓器として用いて、代謝の側面から回復、非回復を決定するポイントの存在を証明することを目標としています。 アデノシン三リン酸(ATP)の動態は極めて重要ですが、その詳細は謎に包まれていました。共同研究者の今村博臣らは細胞内ATP濃度を可視化するFRETバイオセンサー(ATeam)を開発し(PNAS 2009)、連携研究者の山本正道はこのバイオセンサーを全身に発現したR26Ateamマウスを作成しました(未発表)。申請者らは、同マウスと二光子顕微鏡を用いて、腎臓における1細胞レベルのATP濃度のリアルタイムな可視化に成功しました(未発表)。 腎臓の機能単位であるネフロンの一部である「近位尿細管」はAKIでもっとも障害を受ける部位です。申請者らは、AKIに伴い、近位尿細管のATPが急激に低下すること、障害が軽微なときには、速やかにほぼ前値のレベルまで回復する一方、障害が重篤な場合には、ATPの回復速度が遅く、回復率が低いことを見出しました。申請者はこの結果から、障害直後のATP動態と、臓器の回復可否と予後の相関について検証しました。さらに腎臓以外の種々の臓器においても同様の解析を行い、臓器横断的に比較しました。
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Research Products
(9 results)