2017 Fiscal Year Research-status Report
ゲノムワイドアプローチによる骨再生用細胞遊走因子の同定と応用に関する探索的研究
Project/Area Number |
17K19744
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高戸 毅 東京大学, 医学部附属病院, 登録診療員 (90171454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大庭 伸介 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20466733)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30344451)
北條 宏徳 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (80788422)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 骨再生 / 細胞遊走 / バイオインフォマティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、骨修復過程早期に起こる、骨欠損部位への「骨芽細胞前駆細胞の遊走・補充」の制御が、骨再生医療の実現に寄与すると考え、「骨芽細胞前駆細胞の遊走・補充」のマスター制御因子の同定を目指している。骨発生過程において転写制御因子Sp7/Osterix 陽性の骨芽細胞前駆細胞は遊走能を有し、骨髄形成に関与することから、Sp7 標的遺伝子が細胞遊走に関与すると考え、実験を開始した。 今年度は、まず、Sp7 ゲノム結合領域プロファイル、Sp7 陽性骨芽細胞前駆細胞の転写産物プロファイル、および遺伝子オントロジーデータベースを用いたバイオインフォマティクス解析により、骨芽細胞前駆細胞の遊走に関わる遺伝子候補を探索した。その結果、細胞の遊走や増殖に関与する遺伝子セットと、それらの遺伝子近傍に位置するエンハンサー候補群を同定した。次に候補遺伝子セットの機能解析のため、Crispr/Cas9システムを用いた機能喪失実験法の確立を目指した。Cas9を恒常的に発現する骨芽細胞株の樹立のため、Cas9と薬剤耐性遺伝子を同時に発現するベクターを導入し、クローニングを行うことで樹立に成功した。現在、in vitroにおいて候補遺伝子の機能解析中である。次に、骨芽細胞分化過程における候補エンハンサーの転写活性機構を検討する目的で、エンハンサーレポータープラスミドの作製を行った。各エンハンサー候補領域にMini-Pおよびluciferase遺伝子を有するコンストラクトを作製した。現在、本レポーターの骨芽細胞分化における転写活性を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析に必要な一時データを全て取得し、バイオインフォマティクスにより有望な候補遺伝子およびその制御領域を得た。機能解析に必要な細胞株の樹立に成功したため、今後、候補遺伝子の機能解析もスムーズに進むと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞を用いた機能解析スクリーニングにより有望な因子が得られた場合、その因子を欠損させたノックアウトマウスの作出を計画している。マウス作出には時間を要するため、有望因子の外来的な導入による、疾患モデルにおける治療効果の検討も同時に進める予定である。
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Research Products
(5 results)