2017 Fiscal Year Research-status Report
Establishment and development of metagenomics-based priodontitis diagnostic platform
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17K19747
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
前川 知樹 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50625168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 修二郎 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00512310)
土門 久哲 新潟大学, 医歯学総合病院, その他 (00594350)
寺尾 豊 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50397717)
米澤 大輔 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90711896)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 歯周炎 / 菌叢解析 / クリティカルパス / ディープラーニング / 歯周病治療学 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周炎は,縁下プラークの形成と悪化に伴う正常な歯周組織からの病的な発展である.ポストゲノム時代において,歯周炎形成後のプラーク構成細菌の解析は多数おこなわれているものの,形成期段階における全細菌の動静と中心として機能する細菌(中心機能細菌)の同定は未だ行われていない.そこで,歯周炎の形成においての全細菌の動静と中心機能細菌の同定を行い,歯周炎形成初期の段階,もしくは歯周炎予防的に特定の細菌の抑制を可能にしたいと考えた.具体的には,次世代シークエンサーを用いて大規模菌叢解析による全細菌のメタゲノムデータを,バイオインフォマティクスにより,歯周炎を引き起こす中心機能細菌の同定を試みる.さらに比較クラスター解析による,病態別の候補細菌の同定時に得たデータとメタゲノム解析で得た全細菌の基礎データを,歯周炎の病態別の臨床パラメーターと同期することで,歯周炎の正確な診断・最適な治療方針の選択を可能にするデジタル情報プラットフォームを構築することを目的とした. 平成29年度は,歯周炎の対象とするサンプルの採取と解析のための倫理委員会への申請を図った.ヒトサンプルは目標としてきた数が集まりつつある.採取したサンプルはメタゲノム解析のためのサンプル調整をおこない,次世代シークエンサーにて全細菌のメタゲノム解析と中心となって機能すると予想される細菌の同定を行った.同時に,マウスの口腔内プラークサンプルを用いた実験を遂行した.マウスでは,歯牙結紮による歯周炎誘導モデルを使用し,スワブにより口腔内プラークサンプルを採取した.メタゲノム解析を行ったところ,予想していた細菌の歯周病発症による割合の上昇と,予期していなかった細菌(群)の変動が認められた.ヒトの場合を想定し,新潟大学に附置されたAIセンターにて,歯周炎発症と進行度の診断のためのプラットフォーム構築のための初期入力を始めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は当初予定されていたサンプルの採取と全細菌の動静を解析したメタゲノム解析がスタートした.ヒト歯周炎罹患患者を侵襲性歯周炎,歯肉膿瘍を伴う歯周炎,慢性歯周炎に分類し,正常な細菌構成バランスを持つ正常な歯周状態の患者から計100名を目指しているがその半数近くの歯肉縁下プラークサンプルを採取をおこなうことができた.バックアッププランとして想定していたマウスの歯周炎を用いた実験では,サンプルからは解析の結果,当初予定していなかった新規の細菌(群)の変動が認められた.したがって,目的である中心機能細菌の発見につながる可能性がある.また,AIセンター立ち上げに伴う積極的な参画により,スマホなどをもちいたインタラクティブな歯周炎診断ツールのプラットフォーム形成の可能性も見えてきた.以上のことから,概ね順調に進歩していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成30年度では,まず初めに29年度で得られたメタゲノムデータと臨床データとのリンクを行う.解析された歯周炎の病態に応じた全細菌のメタゲノムデータは,病態別の歯周炎の臨床パラメーター(ポケット深さ,歯の動揺度,骨吸収程度など)と同時にリンクさせることで,歯周炎の細菌学的検査による,正確な病態の診断と最適化された治療方法の選択が可能になると考えられる.さらに,歯周炎治療の予後データともリンクをすることで,初診時の歯周炎の予後診断も可能になる.続いて,中心機能候補細菌の選択的排除による病態に応じた治療法の開発を目指す.つまり,分子生物学的な解析によって得た候補細菌の特徴を逆手にとった方法を見出す.申請者はこれまでに慢性歯周炎の中心細菌であるP. gが補体を利用して免疫回避機構を発揮していることを解明した.P. gが補体拮抗薬により選択的に歯周炎組織から排除されることから,補体拮抗薬を実際にサルの自然発症型歯周炎モデルに投与したところ,歯周炎が抑制された.申請者はこれまでにいくつかの歯周炎治療となる候補薬剤をサルの歯周炎に投与した経験がある.したがって,慢性歯周炎,侵襲性歯周炎,歯肉膿瘍を伴う歯周炎の症状別の候補細菌に対する効果のある薬剤が同定されれば,サルの実験系へと発展できる可能性が高い.薬剤投与後は,①最近の構成バランスの変化をメタゲノム解析法で,②炎症改善をプロテオーム解析法で評価する.サルへの薬剤投与実験に対しては,フィリピンの大規模サル自然繁殖施設であるSICONBREKに出向し,侵襲性歯周炎,慢性歯周炎,歯肉膿瘍を伴う歯周炎を持つサルを選別し,見出した薬剤を投与する.本申請研究で確立された結果を基盤とし,最終的にヒトに応用できる発展研究とする.
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Causes of Carryover |
3月中に納品された実験試薬の支払いがずれ込み4月になったものであり、当該試薬に関しては当初に予定されていた通りの使用方法とする。
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[Journal Article] Sulfated vizantin induces the formation of macrophage extracellular traps.2018
Author(s)
Oda M, Kurosawa M, Yamamoto H, Domon H, Kimura T, Isono T, Maekawa T, Hayashi N, Yamada N, Furue Y, Kai D, Terao Y.
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Journal Title
Microbiol Immunol.
Volume: 0
Pages: 0
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Pneumococcal DNA-binding proteins released through autolysis induce the production of proinflammatory cytokines via toll-like receptor 4.2018
Author(s)
Nagai K, Domon H, Maekawa T, Oda M, Hiyoshi T, Tamura H, Yonezawa D, Arai Y, Yokoji M, Tabeta K, Habuka R, Saitoh A, Yamaguchi M, Kawabata S, Terao Y.
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Journal Title
Cell Immunol.
Volume: 325
Pages: 14-22
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] An ENU-induced splice site mutation of mouse Col1a1 causing recessive osteogenesis imperfecta and revealing a novel splicing rescue.2017
Author(s)
Tabeta K, Du X, Arimatsu K, Yokoji M, Takahashi N, Amizuka N, Hasegawa T, Crozat K, Maekawa T, Miyauchi S, Matsuda Y, Ida T, Kaku M, Hoebe K, Ohno K, Yoshie H, Yamazaki K, Moresco EMY, Beutler B.
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Journal Title
Sci Rep.
Volume: 0
Pages: 0
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Secreted protein Del-1 regulates myelopoiesis in the hematopoietic stem cell niche.2017
Author(s)
Mitroulis I, Chen LS, Singh RP, Kourtzelis I, Economopoulou M, Kajikawa T, Troullinaki M, Ziogas A, Ruppova K, Hosur K, Maekawa T, Wang B, Subramanian P, Tonn T, Verginis P, von Bonin M, Wobus M, Bornh M, Grinenko T, Di Scala M, Hidalgo A, Wielockx B, Hajishengallis G, Chavakis T.
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Journal Title
J Clin Invest.
Volume: 127
Pages: 3624-3639
DOI
Peer Reviewed
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